Case Studies Vol.1931横浜市富岡地区における交通需要京急バスのリアルタイム混雑度可視化交通・防災統合情報サイト「はこぼうマップ」ダッシュボード機能による沿道状況の可視化沿道状況センシングの3Dイメージ> 住民サービス > 地域政策■課題解決手法■今後の展望① バス車両内混雑度可視化実証実験の 取り組み昨今の新型コロナウイルス感染症拡大の影響も満員状態だと乗車自体を諦めざるをえない状況の位置情報センシング技術を活用した混雑度情報提供技術を水平展開した。移動躊躇層の安全性の向上はもちろん、健常者にとっても密室状態を回避する有効な手段とするべく、研究開発を行った。実装を進めている三浦半島観光MaaSアプリと中心とする車内混雑度計測・可視化システムの開発に踏み込んだ。今回はArcGIS Enterpriseを用いたWebアプリを公開したが、今後は、② 交通防災情報統合サイトの運用平時はバスロケーションシステム等を活用した交通情報を、災害発生時には避難所の開設状況等箱根町と共同で開発し、一般公開した。情報を提供することで、住民や観光客の交通利便性の向上を図った。災害発生時は避難所の開設状況をマップに掲載し、町民だけでなく観光客にも公開することにより、安心・安全な観光地としてのPR効果も期待できる。また、情報提供によるさまざまな公共交通機関の利用促進により移動手段を分散化し、渋滞緩和、コロナ禍での密回避にも貢献している。自治体が発信する安心・安全に関する情報や、地域内に存在する複数の交通事業者の運行情報を、ArcGIS Enterpriseに集約し、ArcGIS Onlineを利用したアプリを公開することで、地域内住民だけでなく、地域を来訪する人にとっても、有益な情報を直感的に取得できる手法を開発した。今後は他地域への展開を予定している。③ 沿道状況センシングシステムの開発道路維持管理システムの対地域展開を目的に、横須賀市、(株)モービルアイジャパン、丸紅(株)、ESRIジャパン(株)と連携して、横須賀市が主導している「ヨコスカ×スマートモビリティ・チャレンジ事業」の一環として、車載型エッジAIを活用した沿道状況センシングシステムの開発に着手した。本取り組みでは、路面状況等の道路資産に関するデータを取得するだけでなく、歩行者や自転車の位置・通行量に関するデータを車載センサーによって連続的に収集・蓄積し、得られるデータと他の既存データを重ね合わあり、交通機関の混雑状況は、利用者にとって大きな懸念事項となる。車イス利用者は、車内がに陥り、また視覚障碍者においては、状況把握による安全性の確保が損なわれるリスクがある。そこで、大規模集客施設などで用いられるWi-Fiこれらの研究成果を基に、京浜急行電鉄(株)がのデータ連携に向けて、三崎口発の京急バスをArcGIS REST APIなどの機能を活用し、他のMaaSアプリとの連携も検討していく。これまで培ってきた研究開発を集約することで、の防災情報を閲覧することができるWebサイトをさまざまな交通機関の情報を一元化して掲載し、町内を運行するバスのリアルタイムな現在地せ、道路の通行安全性を多角的に評価した。コロナ禍の影響により自家用車への依存傾向が強まる状況下において、道路上での弱者である歩行者と自転車への配慮を強め、より人間中心で安心安全な歩行環境および自転車走行環境の実現に貢献することを目指していきたい。また、街路における歩行者の通行量を時系列で分析することにより、感染症流行時における外出抑制策等の効果を検証でき、ホットスポット分析等のリスク評価が可能となった。情報共有の際に、ArcGIS OnlineのDashboardsアプリやArcGIS Proによる3D可視化機能は、今後一般市民へのオープンデータ化を進める際に有効な手段となる。モビリティ分野において、これまでは計画主導で課題解決を図る傾向があったが、昨今の情報端末によるさまざまなデータの取得により、これまで時間的にも地理的にもおぼろげだった人々の流れを可視化できる可能性を秘めている。ArcGIS Enterpriseで情報を集約し一括して可視化させ、ArcGIS Onlineで公開する流れは、今後あらゆる場面で期待できる。今後も地域に根差した「Local Information」をより充実させるために、ArcGISの発展に寄与できれば幸いである。『みんなでつくる、地域のためのモビリティサービス』地域内拠点へのアクセス支援と誰もが同じ使いやすさで利用できる公共交通活用事例
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