ArcGIS 事例集 Vol.19
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● 経済原理が生む「Passengers left behind● 共通する要因の一つ:● 大都市辺縁地域で顕在化する持続可能性Case Studies Vol.19 30PROFILE代表取締役 有吉 亮 氏(左)取締役   西岡 隆暢 氏(右)組織名:LocaliST株式会社住所:〒240-8501  神奈川県横浜市保土ケ谷区常盤台79-5問合せ先:046-845-9153Email:info_localist@localist.co.jp使用製品ArcGIS ProArcGIS EnterpriseArcGIS Online課題・人々の交通手段の志向の変化に伴う 需要への対応・社会的弱者に対するモビリティの向上導入効果・地域内交通需要の把握・移動需要の分析と可視化LocaliST株式会社が提供するソリューションとArcGIS活用イメージ■概要■課題■ArcGIS活用の経緯LocaliST株式会社は、国立研究開発法人科学技術振興機構のセンターオブイノベーション(以下、COI)プログラムにおける研究開発成果活用事業として 2018 年(平成30年)に起業した。同社の代表取締役の有吉氏と取締役の西岡氏は、COI特任教員を兼任しつつ、事業運営を行っている。事業内容は、モビリティに関するコンサルティングサービスと、GISを活用したシステム/アプリケーションの開発である。同社は、大都市辺縁地域で顕在化する、モビリティ(移動可能性)の悪化が及ぼす地域社会の課題に対して、ArcGISを活用し実態調査と住民へ情報提供する環境を構築した。地域において高齢者や買い物弱者と呼ばれる住民が直面する課題の一つにフードデザート(食の砂漠)がある。同社はこの社会問題に根幹で共通する一因としてモビリティの悪化や、自家用車への依存が影響していると考えた。持続可能なまちにするため、モビリティ実態を把握し解決のための対策を練る必要があった。モビリティの悪化を解消するために、不採算バス路線の減便・廃止やUber型サービスの空間的偏りにも手を打つ必要があった。の危機: 高齢化、買物弱者、フードデザート、貧困、社会的疎外 モビリティ(移動可能性)の悪化、 自家用車依存のリスクと代償 (いつか来る、車との別れ)(取り残された移動者:不採算バス路線の減便・廃止、Uber型サービスの空間的偏り)」COIのビジョンに基づく大学の取り組みを地域社会に知ってもらい、また、産学公民の連携による研究開発と社会実装に向けた実践の継続を進めるためには、企業・自治体・地域が連携して研究開発プロジェクトを展開する必要があった。実態と課題を共有するためには、さまざまな情報を可視化して、地域住民参加型のまちづくりを構築すべきと考えている。交通機関の混雑状況といった動的な情報と、地域需要といった静的な統計情報を同じ環境で整理・共有できるArcGISは最適なソリューションといえる。両氏とも学生時代を含め同社発足以前から、ArcGISを活用して研究活動に従事していた。加えて、一般市民のスマートフォン保有率が爆発的に増加し、人々の生活の中で取得できる位置情報が、ArcGISのサーバー機能によって集約できるようになり、同社の活動にとってまさに最適な選択であった。また、米国Esri社のスタートアッププログラムに採用されたことが、ArcGISの活用をよりスムーズなものにする大きな要因となった。ArcGISで地域のモビリティ需要へ貢献LocaliST株式会社

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