ArcGIS 事例集 Vol.19
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Case Studies Vol.1921高1地理総合 地形での活用ArcGIS Dashboardsで作成した教材例ArcGIS Proで作成した教材> 人材育成 > 教育■効果■今後の展望ArcGIS Dashboardsで原油の国別生産ArcGIS Onlineは2次元と3次元どちらでLiving Atlas of the World」で世界中のロジェクターでGISの画面を投映しながら授業を行うのが中心ではあるが、備えられているChromebookに生徒一人一人が触れる授業も行っている。たとえば、量推移を可視化したWebアプリケーションを作成し、生徒が動的な統計情報に触れることで、より考察を深め、授業への理解度や関心を高めることができた。高校1年生向けには、教室で行う従来型の授業であるが、プロジェクターにWebマップの画面を投映し、実際に動的な地図を見せながら授業を行っている。の可視化にも対応しているため、特に地形の単元では重宝した。教材作成の際には、世界中の地図データが集約されているカタログサイト「ArcGIS ユーザーが作成したGISデータを使用している。一からデータを作るのではなく、他のArcGISユーザーが作成したデータを使用できる点も高く評価している。毎月の定期考査問題の作成においては、ArcGIS Proを用いることで、授業で使ったGISデータと連携した試験問題を迅速に作成することができる。ArcGIS Proのプロジェクトファイルを開けば、過去に使用したデータが残してあるため、ファイルを探す時間を短縮することができる。図法や表示縮尺、表示する地物やレイヤーを細かく制御できるGISならではの機能も、試験用の図表としては重要であった。従来の地理の授業で実施されてきた教科書、地図帳、資料集、地理統計を組み合わせた授業に、GISを利用した教材を加えることで、教員が「生徒に見せたい」情報を能力の3つの柱として「学びに向かう力、人間性」「知識および技能」「思考力、判断力、表現力」がある。GISの導入で授業への理解度や関心を高めたことにより、3つの柱の中でも特に、未知の状況に対応できる「思考力、判断力、表現力」を身につけるのに役立てられたと井出氏は説明する。最後に、井出氏は今後の展望を3点挙げた。1点目は、教師としてまだまだGISを授業で活用する経験が不足しているため、今後実践を積み重ねてGISを活用した教材を充実させ、より日常的にGISを活用した授業を実施していくことである。2点目は、ArcGIS Onlineを活用することで、他校とのデータ共有を検討している。現在は本校のみでの単独の活用にとどまっているが、他校との連携によりさらに授業を面白くできると期待している。最後に、学校行事の運営にGISを活用できないかと考えている。たとえば、遠足の際に関係者の現在地を可視化し、情報共有と対応の迅速化をするなどだ。井出氏は、機会があれば取り組んでみたいと述べている。本校でのGIS利用は始まったばかりであり、これからの活用を積極的に模索していくつもりだ。より的確に提示できるようになった。地理総合必修化に伴い、授業時間数や受講生徒数も増えている。授業の質を維持したまま、生徒一人一人と向き合う時間を確保するために、教材作成にかける時間を少しでも節約できている実感がある。文部科学省学習指導要領に定められている資質・身につけさせる授業の準備の効率化を実現ArcGISで「思考力、判断力、表現力」を活用事例

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