Case Studies Vol.19 20PROFILE鹿児島県鹿児島市小松原2丁目10-1社会科教諭 井出 健人 氏組織名:ラ・サール中学校・高等学校住所: 〒891-0192問合せ先:099-268-3121Email:ide@lasalle.ed.jp使用製品ArcGIS ProArcGIS OnlineArcGIS Dashboards課題・ICT環境の不足・毎月行われる定期考査の準備導入効果・ChromebookでArcGIS Onlineのマップを触る授業で生徒の思考力、判断力、表現力を向上・迅速な試験問題の作成を実現ArcGISを活用した授業の様子■概要■課題■ArcGIS採用の理由■課題解決手法ラ・サール学園は、カトリックの教育修道会ラ・サール会によって1950年(昭和25年)に高等学校が、そして1956年(昭和31年)に中学校が鹿児島市小松原に設立された中高一貫の男子校である。6年間を通じた特色のある教育課程を組み、効率的な学習が行われている。地理科では、常勤3名の教員で中高6学年の生徒の授業を担当している。同校では、一部学年の地理の授業においてArcGISの活用を進めている。授業に向けた教材作成にArcGIS Proを活用することで、教材の見せ方を工夫することができるようになった。また、授業の内容と連動した試験問題を容易に作成できるようになり、試験問題の作成時間の短縮にもつながった。さらに、ArcGIS Onlineを利用することで生徒に実際にマップに触れてもらう授業を展開できるようになり、生徒の「思考力、判断力、表現力」の向上にも役立った。同校では、教員が教室へプロジェクターとスクリーンを持ち込み、パソコンの画面を投映した授業を実施している。また、プロジェクターを備えた自習室を授業で利用することもできる。自習室にはChromebookが備えられており、生徒がWebブラウザーに触れる授業を実施することができる。寮で生活する生徒も数多くいる同校では、寮および学校へのパソコンやスマートフォンの持ち込みは禁止されているが、デジタルネイティブ世代の生徒たちにICT環境を可能な限り活用した授業を提供したいと考えていた。さらに、同校の大きな特徴として、月に1回行われる定期考査があり、より充実した問題の作成に時間を割くために地図や図表類の作成にかける時間を減らす、効率的なツールを導入する必要があった。ESRIジャパンでは、「小中高教育におけるGIS利用支援プログラム」を提供している。本プログラムは、地図や地理に関する授業や研究で利用する GIS ソフトウェア・クラウドサービス、ならびにこれらに関するトレーニングとQ&Aサポートを小中学校、高等学校に無償提供するものである。これらGISソフトウェアやサービスを無償で利用できることが評価された。また、株式会社帝国書院の地理総合の教科書のWebGIS教材としてもArcGISが採用されており、教科書および副教材と連携した活用もできると考えたことから、ArcGISの採用を決定した。現在は中学3年生向けの「地理(社会科)」の授業と、高校1年生向けの「地理総合」の授業で、ArcGISを活用した教材を用意し、授業を展開している。「地理総合」は2022年度(令和4年度)から実施された高等学校新学習指導要領にて新設された必修科目であり、GISの積極的な活用も期待されている。中学3年生向けには、プロジェクターとChromebookを備えた自習室で地理の授業を実施している。必要に応じて、プ小中高教育におけるGIS利用支援プログラムで地理教師の負担を軽減ラ・サール中学校・高等学校
元のページ ../index.html#20