ArcGIS 事例集 Vol.19
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Case Studies Vol.1911圃場の連作状況の可視化コーン作付け確認マップ> 資源管理 > 農業■今後の展望圃場と組合員の自宅の可視化広大な畑において、紙地図では現在地や方角が分かりにくい場合がある。そこで、の自宅を可視化したことで、手元のスマー農薬散布での利用雪が多い冬はトラクターが圃場に入ることができないため、防除用無人ヘリコプターが農薬を散布する圃場の確認にArcGISが使用されている。農薬の散布実績の情報は、防除を依頼した業者から入手し年からは、ExcelデータをArcGIS Proで読み込み、作成したマップを担当の課と共有している。マップを作成することで、農薬情報はデータとして蓄積されるため、過去の散布実績の把握にも役立てている。畜産での利用畜産の事業でもArcGISが使用されている。主に雑草を取り除く事業で圃場の確認に使用されている。コーンの交雑防止コーンの場合、生食用のスイートコーン、飼料用のデントコーン、子実用のコーンが近い場所で栽培されると交雑し、品質が悪くなる。江別営農センターでは、コーンの交雑防止のため、2年前から 「コーン作付け確認マップ」 を作成し、コーンを栽培している圃場から300メートルのバッを可視化している。コーンの栽培は、隣接する自治体でも行われているため、作成されたマップは周辺のJAなど関係者に共有連作の把握現在JA道央では、連作障害への対策として、各圃場の作付け履歴データの整備を経営所得安定対策の業務とセットで進めている。ベースとなる作付け履歴データはArcGIS Proで作成しており、紙で管理されている過去のデータは、一度Excelに反映させArcGIS Proで読み込んでいる。連作障害を把握するためには、最低でも4年分のデータが必要となるが、ArcGISの導入時期の影響もあり、データの整備状況は営農センターごとに異なっている。最も早く整備が進んでいるのは、江別営農センターだ。すでに4年分の田のデータを整備しており、タブレットで圃場の連作情報を確認することができるようになっている。現時点では連作障害対策のための営農指導でデータを活用している営農センターはないが、今後データの整備が完了した営農センターから活用していく予定だ。JA道央では、今後もさまざまな業務でArcGISの活用を検討している。たとえば、耕作者の年齢や後継者の有無をマップ上で可視化することにより、後継者が不足しているエリアへ営農指導をすArcGIS Onlineを使用して圃場と組合員トフォンやタブレットで現在地や目的地をすぐに確認でき、土地勘のない職員でも迷うことなく現地調査が行えるようになった。Excelデータのみで管理していたが、2020をどこに散布したのか一目で把握できるようになった。また、農薬を散布した圃場のファーを示し、交雑の可能性がある圃場されている。る際の検討材料としての活用や、災害発生の頻度が高い地域の特定などにも活用できると期待している。また、リモートセンシングによって、米のたんぱく質含有率や麦のNDVI値を取得し、活用できないかも検討している。このように多岐にわたる業務での活用が期待されていると同時に、職員のArcGISスキルの向上にも注力をしていく。営農センター間での習熟度の差を埋め、各営農センター内で培ったノウハウを共有するため、JA道央ではArcGISの勉強会を開催し、これまで以上にさまざまな業務でArcGISの利活用を進めていきたいと考えている。現地調査や営農指導など多様な業務で活用ArcGISであらゆるデータを整備活用事例

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