ArcGIS 事例集 Vol.20
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Case Studies Vol.20Email:kanekom@yokohama-cu.ac.jpArcGIS Pro・日本の医療における「へき地」尺度が標準・へき地尺度をわかりやすいように表現する導入効果・医療における「へき地度」の客観的な指標問合せ先:竹下 健一 氏Email:order@t-map.co.jp横浜市立大学 大学院 データサイエンス研究科ヘルスデータサイエンス専攻医学部 臨床疫学・臨床薬理学准教授 金子 惇 氏組織名:横浜市立大学住所: 〒236-0027 神奈川県横浜市金沢区瀬戸22-2使用製品課題化されていない手法が確立されていないの作成とその見える化導入パートナー企業組織名:株式会社東京地図研究社住所: 〒183-0035 東京都府中市四谷1-45-2RIJ(日本の医療におけるへき地尺度)に用いられた項目24PROFILE■概要■課題■ArcGIS活用の経緯「へき地」と都市部の健康格差、医療資源の格差は世界的な課題であり、多くの国で研究が行われている。一方、課題だけでなく、幅広い診療や地域住民との協働など、へき地医療だからこその魅力も発信されている。その様なへき地医療の特徴を見える化するために、諸外国では国や地域ごとに「へき地」の程度を段階的に表すへき地尺度が活用されている。わが国では約1,100万人が過疎地域に居住しており、その地域は国土面積の58%を占めているものの、これまでへき地尺度に該当するものがなかった。「過疎地域」「無医地区」など行政的な区分はあるが、これらは二段階あるいは三段階程度の区分で、実際の「へき地」と都市部の尺度をグラデーションで表現するには十分ではない。そこで、本研究ではこれまでの他国での研究結果およびへき地医療に関わる医療従事者や行政官、住民など有識者へのアンケートを基に、日本におけるへき地尺度(Rurality Index for Japan:RIJ)をGISを活用して作成したいと考 えた。「へき地」で診療している医療従事者や行政官、住民へのアンケートの結果から、へき地尺度に必要な項目として、人口密度/直近の二次もしくは三次救急病院までの距離/離島/特別豪雪地帯の4項目が選出された。そして郵便番号界ごとに直近の二次もしくは三次救急病院までの距離計算や、得られたへき地尺度を地図上にマッピングするための効果的な手法を模索していた。全国のへき地度を記述するために、郵便番号を単位とし人口密度の状況や直近の二次救急病院までの直線距離などの地理的傾向を分析する必要があった。ArcGISは、さまざまな情報を地図上で重ねて可視化でき、また、その中でも全国の郵便番号界データを処理できるArcGIS Proはまさに本研究に合致するツールであった。さらに、へき地尺度に必要な項目である4項目の計算はジオプロセシングツールを活用すれば、全国の地図上で分析結果が可視化できるため、すぐにArcGISの採用を決めた。ArcGISを用いて医療における「へき地」を見える化横浜市立大学

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