ArcGIS 事例集 Vol.20
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使用製品ArcGIS Pro課題・物流データの分析における地図機能が不足・地図表現の操作が煩雑導入効果・地図上での分析結果の表現力の強化・簡単な操作で多彩な分析を実現PROFILE組織名: ロジスティード株式会社 住所: 〒104-8350 東京都中央区京橋2-9-2 ロジスティードビルDX戦略本部 SCイノベーション部末田 氏(左)、田中 氏(右)営業統括本部 DX戦略本部SCイノベーション部SCDOSサービス概要図42ロジスティード株式会社は、70年以上の歴史がある総合物流会社で、国内外で広く展開する製造業や小売業の荷主に対して、物流業務を包括的に受託する3PLを中心に、SCM(サプライチェーンマネジメント)を取り入れた物流業務全般のサービスを提供している。戦略的に海外拠点を増やし、2023年8月時点で国内外に808の拠点を有する。グローバルに展開する企業のサプライチェーン戦略立案から実行まで総合的な支援を提供している。 DX戦略本部 SCイノベーション部は、これまでの荷主への物流サービスで培ったオペレーションとサプライチェーン関連のデータ分析のノウハウを活用し、調達から生産、供給、販売まで、サプライチェーン全体の最適化を支援する新しいサービス「SCDOS」を2020年(令和2年)から開始している。SCDOSはサプライチェーンに関わるさまざまなデータ分析から浮かび上がる現状の課題、そして物流業界における環境問題や、2024年問題、貿易業務の煩雑さなど、荷主が直面する課題への最適なサプライチェーン改善の提案からその実現、そして評価までをトータルでサポートする。その中のサプライチェーンに関連するデータ分析において、荷主や倉庫、納品先の位置関係を地図上で視覚的に分かりやすく表示するためにArcGIS Proを使用している。 SCDOSのサプライチェーンデザインサービスの初工程であるサプライチェーンの可視化・分析では、物流の各分野で経験を積んだコンサルタントが、顧客が蓄積する需要データや物流のコスト構造、今後の計画といったさまざまな情報を収集・整理し、Microsoft Power BI(以下、Power BI)などのツールを用いて分析する。位置情報を持つデータに関しては、各担当者がPower BIのマップ機能やGoogle Mapsを使用し、拠点の配置関係を表示していた。地図上にデータを表示することで顧客や配送先、物流拠点の位置関係を直感的に理解できるよう、該当の情報を提示する。多角的な分析を進めるには、地図上に更なるデータを追加して表示する必要がある。しかしこれまでのツールでは、地図上にデータを表示する操作が煩雑で、複数のレイヤーを自由に組み合わせることが難しく、物流拠点から特定の時間内にアクセス可能な範囲を示す到達圏分析に制約が生じるといった課題が存在していた。Microsoft社とEsri社の連携によりPower BI上で分析結果の可視化を地図上で行う際に、ArcGISの背景地図や■概要■課題■ArcGIS採用の理由サプライチェーン最適化サービスにおけるArcGIS活用ロジスティード株式会社

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