36Case Studies Vol.21組織名:KBCアドバイザーズ使用製品ArcGIS ProArcGIS OnlineArcGIS Data Pipelines課題・手作業による非効率性とエラーの発生・リアルタイムデータの欠如・データの視覚化プロセスの非効率性導入効果・業務効率の向上・データの精度と信頼性の向上・スケジューリング機能による最新データの可用性海外事例PROFILE■概要■課題■ArcGIS採用の理由■課題解決手法KBCアドバイザーズは、データに基づいて顧客のビジネスに最適な不動産の管理と運営をサポートする企業である。KBCのプラットフォームは、一等地の物件を中心に入居者、家主、投資家のニーズに対応している。KBCアドバイザーズの社内スタッフや社外の顧客にとって、視覚的に商業用地の空室状況や立地を示すことは非常に重要である。KBCアドバイザーズのロケーション・インテリジェンス・チームは以前、既存の資産と用地を追跡するため、手作業でのプロセスを導入していた。この手順では、外部のアプリケーションからデータを収集し、ファイルをエクスポートした後、データを別のシステムにアップロードして視覚化していた。しかし、この方法だと膨大な時間がかかり、またシステム間でデータを移動する際のエラーを避けるために集中力が必要だった。そこで、KBCのロケーション・インテリジェンス・チームはArcGIS Data Pipelinesを導入し、ArcGISと外部アプリケーションとのシームレスなデータ統合システムを構築した。これにより、データの精度が向上し、プロセスが自動化され、時間の節約と効率化を実現した。また顧客や不動産仲介の専門家が必要とするデータをより効果的に提供できるようになった。ロケーション・インテリジェンス・チームは従来、対象地域と物件のレポートを作成し、プロジェクトや商談を確認後、情報を出力していた。その後、GISアナリストが、ArcGIS Proを使って物件の座標をプロットし、ArcGIS Online上で顧客も閲覧可能な空き物件レポートを公開していた。しかし、外部アプリケーションとArcGIS製品のシステム連携がなかったため、手作業が多く、非効率でエラーも発生していた。そのうえ、公開されたデータはすぐに古くなり、情報の抽出は週に何十回も行うため、GISチームは効率的なデータの視覚化作業を必要としていた。特に、物件の空き状況に関するデータは、スプレッドシートで管理されており、リアルタイムのデータに基づいていなかったため、最新のステータスがシステムに反映されていなかった。これにより、顧客に提供する情報が正確ではなかった。KBCアドバイザーズは、こうした状況を踏まえて、データの精度向上とプロセスの自動化を実現するためのソリューションを求めていた。担当のドラム氏は、これらの課題を解決するために模索した結果、外部アプリケーションとArcGISの統合を支援する革新的なソリューションであるArcGIS Data Pipelinesを知り、すぐに採用を決めた。ArcGIS Data Pipelinesは、データの取り込み、変換、更新を効率化し、ArcGIS Onlineでのデータ統合を便利にするアプリである。ドラム氏によれば、ArcGIS Data Pipelinesは異なるシステムをスムーズに連携させることはできるが、媒介となるデータストレージサービスが必要であった。Microsoft社のAzure Blob StorageはArcGIS Data Pipelinesでサポートされる入力データソースであり、ArcGIS Onlineと外部アプリケーション間の媒体として使用された。ドラム氏とGISアナリストのチームは、2023年(令和5年)の後半にArcGIS Data Pipelinesの使用を開始ArcGIS Data Pipelinesで業務効率化を実現KBCアドバイザーズ
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