Case Studies Vol.2133出典:・「重要湿地」(環境省)、「重要里地里山」(環境省)の情報をもとに加工して作成 https://www.env.go.jp/nature/important_wetland/index.html https://www.env.go.jp/nature/satoyama/jyuuyousatoyama.html・モニタリングサイト1000 - 北海道サイトリスト(環境省生物多様性センター)の情報をもとに加工して作成 https://www.biodic.go.jp/moni1000/site_list_hokkaido_map.html・「国立公園(全国)」Shapeデータ(環境省生物多様性センター)を加工して作成 http://gis.biodic.go.jp/webgis/sc-026.html?kind=nps・国土数値情報(森林地域データ)(国土交通省)のデータを許諾のもと加工して作成 https://nlftp.mlit.go.jp/ksj/gml/datalist/KsjTmplt-A13-2015.html・数値地図(国土基本情報)(国土地理院)の5mメッシュ標高、道路中心線、軌道の中心線データを加工して作成・ 電子地形図25000(国土地理院)を加工して作成・Source: Airbus, USGS, NGA, NASA, CGIAR, NLS, OS, NMA, Geodatastyrelsen, GSA, GSI and the GIS User Community・数値地図(国土基本情報)(国土地理院)の5mメッシュ標高データを加工して作成 共有している流域環境の基礎データ(左)および地形の起伏を強調した3Dマップ(右)> ビジネス > 建設■現在の活用状況と効果■今後の展望ルールを設定せず、必要と思われるオープンデータ等があれば都度登録して共有できるようにしている。近年はWeb APIで提供されているデータも「DoconGIS」上に簡単に取り込める環境の整備に取り組んでいる。ユーザーが意識しなくても入口ひとつでさまざまなデータにアクセスできる環境の構築が一つの目標である。②社内技術サポートについては、現業部からの年間約100件の質問や要望に技術情報部が社内のヘルプデスクとして対応にあたっている。技術情報部がすぐに解決できない問題も、同部が窓口になりESRIジャパンのサポートへ問い合わせている。Esri製品のサポート サービスを提供するWebサイト、My Esriには2020年(令和2年)3月から2024年(令和6年)10月現在までの間に300ケース以上の問合せを登録している。同部が手厚くサポートすることで、現業部は主業務に集中できる体制となっている。③の社内勉強会も活発に行っている。技術情報部が主体となって勉強会や社内セミナーを開催しているほか、ESRIジャパンのオンサイトトレーニングも年4回程度、社内で開催している。初歩的な操作から高度な分析・解析機能まで幅広く体系的に学べる機会を設けることで、社内のGIS技術力の底上げを図っている。各現業部では主にArcGIS Proを使用し、受託業務に応じてデータベースの構築や分析・解析、業務成果の作成などを行っている。また、「DoconGIS」を社内のGISデータ共有の場として利用するシーンも増えてきている。なかでも河川環境部では、河川区域だけでなく流域全体の環境情報を扱うため、複数の面的な情報の処理を得意とするGISは業務に欠かせないツールである。そのひとつの取り組みとして、流域環境に関するさまざまな基礎データを「DoconGIS」に登録・共有している。その多くは国や自治体で公開しているオープンデータを基にしているが、中には明治期の文献の紙地図から位置合わせしてデータ化したものもある。データ化の労力は膨大であったが、業務ごとに一からデータを収集・整備する必要がなくなったため、中長期での業務効率化や高品質化に寄与している。また、発注者や住民への説明にもGISを用いている。GISの利点は物事をわかりやすく伝えられることである。特に3次元の地形と重ねて各種情報を可視化することで説明に説得力を持たせることができている。データの利活用は単一の部署内に留まらない。河川環境部を例に取れば、親和性の高い河川部や水工部はもちろんのこと、まちづくり分野を担当する総合計画部とも共有することがある。流域治水とまちづくりは切っても切れない関係にあり、各部署が相互に連携した上で会社として一貫した計画策定や設計が求められる。この連携が複数分野の技術者を抱える総合建設コンサルタントの強みでもあり、その情報共有をArcGISが下支えしている。従来は閲覧や検索がメインだったライトユーザーもArcGISの高度な機能を活用し始めている。たとえば経理担当者が出張経費の計算で使用するなど、部署問わず利活用が広がっている。全社で1時間に50人以上が使用している状況もよくあり、「GISを誰もがハードルなく使いこなせるようにしたい」という目標へ着実に近づいている。こうした成果は一朝一夕では成し得ない。長い時間をかけてGISを活用する意識を醸成し人材育成に力を入れてきたからこそ、確かな技術力として組織に強く根付いてきている。ドーコンでは、今後も誰もがGISを手軽に活用できる環境を整えていく。直近では現地調査アプリの利用環境を整備しており、屋外でも地図データを容易に収集・活用できるようにしていくことは、現場作業の多い建設コンサルタントにとって重要な取り組みであると考えている。また、ArcGIS上でのCAD図面データの活用は既に進んでいるが、今後はBIM/CIMとArcGISの連携にも期待を寄せている。現在は効果的な連携手法の検証を進めている段階であるが、測量・調査・計画・設計の各業務分野、さらには協力会社や発注者などとの組織を超えた各種データの共有・利活用を進めていきたい。誰もが簡単にGISを活用できる環境の構築を目指して活用事例
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