ArcGIS 事例集 Vol.21
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PROFILE30Case Studies Vol.21contact/anfrage/ら収集し統合する必要があるり負担になっているるようになったるようになった上が実現された設計本部 BIM推進グループシニアチーフエキスパート千田 尚一 氏組織名:株式会社竹中工務店住所:〒136-0075 東京都江東区新砂1-1-1URL:https://www.takenaka.co.jp/j_使用製品ArcGIS EnterpriseArcGIS Maps SDK for JavaScript課題・設計に必要な敷地データを複数の取得元か・敷地の地図情報の入手にアナログ作業があ導入効果・敷地に関する複数の情報を一括で入手でき・災害リスクの評価により、安全な設計をでき・設計プロセスが見直され、効率化と精度向建設DXを取り巻く環境■概要■課題株式会社竹中工務店(以下、竹中工務店)は日本を代表する総合建設会社で、長年にわたり革新的な建築技術と優れたデザインを提供してきた。現在、同社はデジタルトランスフォーメーション(DX)に注力しており、地理情報システム(GIS)を活用した新たな取り組みを進めている。その一環として開発されたのが「設計BIMツール」である。設計BIMツールは設計段階での建築情報を含むモデル(BIM)データを効率的に管理・共有するためのシステムで、プロジェクト全体のデータ一元化を目指している。このツールは2019年(平成31年)3月に企画が開始され、2021年(令和3年)9月から一部プロジェクトでの運用を開始、2023年(令和5年)10月にはすべての新規プロジェクトでの運用を開始した。設計BIMツールにGISを導入することで、設計条件や法的制限、気候や災害情報などの地理情報を迅速かつ正確に取得し、設計業務の効率化を図っている。これにより、設計者は地理情報を容易に取得・利用でき、プロジェクトの精度向上と作業時間の短縮が実現されている。同社は今後も設計BIMツールを中心にDXを推進し、建設業界全体のデジタル化をリードしていくことを目指している。建築設計において、敷地に関するデータは非常に重要である。具体的には、都市計画地図、用途地域、防火地域、多雪地域、塩害地域、地震・津波などの防災情報、気候情報などが含まれる。これらのデータは設計条件を決定するための基本情報であり、正確かつ迅速な取得が求められる。従来の方法では、これらの情報を収集するのに多大な労力と時間がかかっていた。行政のホームページや学会のデータベースなど、複数のソースから個別に情報を調査しなければならず、情報の精度や最新性にも気を配る必要があった。また、各情報を手作業で統合し、Excelファイルにまとめる作業も発生していた。たとえば、防災情報を確認するためには、気象庁や自治体のサイトを逐一チェックし、その後、各種データを手作業でまとめるという非効率なプロセスが一般的だった。さらに、地図情報のトレース作業も紙地図とトレーシングペーパーを用いて行うなど、アナログな手法が主流であり、時間と手間を要していた。このように各種データ収集業務は、設計者にとって大きな負担になっていた。設計支援ツール「設計BIMツール」にArcGISを導入し設計業務を革新株式会社竹中工務店

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