ArcGIS 事例集 Vol.20
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図3SHIBUYA OPEN DATA図2CITY DASHBOARD渋谷区内の出張・車イス対応AED設置一覧29ArcGISを導入することで、今まで区で保有はしていたものの、活用されていなかったデータの有用性を職員に気づかせることができた。まず庁内では、日々の業務で蓄積されたデータをマップとグラフで可視化することで、保有データの価値に気づき、職員自身の業務でどのように活用できるか考えることが増えた。またスマートシティ推進室が庁内のデータを集約・可視化する主体として活動してきたことによって、現在では、庁内で行政データを活用する際に、他部署の職員がスマートシティ推進室に問い合わるといった仕組みができてきたことも大きい。たとえば、ハロウィン等多くの人が集まる時期において、人流の傾向をつかむためにダッシュボードを活用したいという声が庁内・庁外から聞かれるようになり、シティダッシュボードやオープンデータの活用の兆しが見えてきている。さらに、行政が積極的にデータを活用することで、民間企業が保有するデータの共同活用についても、継続的に提案を受け官民連携の取組も生まれている。事業を加速させていく上で、ArcGISは非常に効果的だった。クラウドGISサービス「ArcGIS Online」を活用することで、クラウド上で迅速に利用可能なGIS環境が用意され、初期の可視化までを非常に素早くスタートさせることができた。さらに、シティダッシュボードに利用しているデータを、オープンデータとしても整備していくタイミングで、オープンデータサイトのリニューアルを行った。その際、ArcGIS Hubを活用したオープンデータサイトを構築することにより、迅速にサイトを開設し、運用に繋げることが可能となった。データ利活用の環境整備は整いつつあるが、効率化が必要と感じている。所管で扱うデータをオープンデータ形式に変換する工数を削減するため、今後はデータのテンプレートを作成して所管に戻し、最初からクリーンな形式でデータを蓄積するよう促すことを予定している。また、今まではデータの前処理と更新をスマートシティ推進室で行ってきたが、今後はArcGIS自治体ソリューションライセンスを活かして各部署にライセンスを拡大し、所管が自律的にGISデータの更新を行っていく体制を整えていきたい。さらに、スマートシティ推進室は発足してから4年間、庁内データの可視化、公開の活動を進めてきたが、今後はシティダッシュボードやSHIBUYA OPEN DATAのアクセス解析を行い、閲覧数やダウンロード数から「渋谷民」がどういった情報を必要としているのかを分析し、行政につなげていく活動も行っていく。ただデータを公開して終わりではなく、民間企業や区民の方との情報共有やディスカッションに活かしてもらうことで、産官学民が渋谷区を共創するプラットフォームとして活用が広まると考えている。> 住民サービス > 情報公開活用事例■ArcGISの導入効果■今後の展望Microsoft Power BIのArcGISアドイン機能とオープンデータサイトで、庁内・庁外に活用されるデータ公開を目指す

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