ArcGIS 事例集 Vol.21
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標高差数値標高モデル(DEM)植生差光学衛星画像地形量(CS立体図)地形の立体視・数値標高データによる定量的な 標高差による地形差分箇所を抽出・植生の状態を示すNDVI値の違い により、地形改変箇所(裸地)を抽出・現地形から人工改変地形の特徴を視覚 的に把握PROFILE28Case Studies Vol.21規制区域設定のイメージ※1仙台支店 盛土規制法対応チーム組織名:日本工営株式会社住所:〒980-0811 宮城県仙台市青葉区一番町二丁目8番 電話番号:022-227-3525URL:https://www.n-koei.co.jp/consulting/使用製品ArcGIS Pro課題・盛土規制法改正に伴う効率的な調査業務の・広範囲の既存盛土等の調査が困難・規制区域の判別と可視化導入効果・効果的な盛土の判読・資料作成の簡略化20号 仙台中央ビル検討■概要■課題■検討手法身体を守るため、盛土等を行う土地の用途やその目的にかかわらず、危険な盛土等を全国一律の基準で包括的に規制する取り組みが始まった。下記が、取り組みの2本の柱である。既存盛土等の抽出既に存在している盛土・切土を既存盛土等と呼ぶ。災害の要因になりうる全国の既存盛土等をくまなく調査し、抽出する。盛土等に対する規制区域の指定宅地、農地、森林等、土地の用途にかかわらず、盛土等の崩落により人家等に被害を及ぼしうる区域を規制区域として指定する。これらの取り組みに対し、国土交通省から対応の指針は示されているものの、具体的な対応方法は提示されていないため、試行錯誤を繰り返しながら対応を進めることとなった。「既存盛土等の抽出」について、以下の流れで検討を行った。1. 資料収集(1) 数値標高モデル(DEM):5mDEMと10mDEMの2時期の標高値を収集し、地形改変を見つける手がかりとした。(2) 光学衛星画像:色調データから植生情報を収集し、地形改変に伴う森林伐採などの手がかりとした。(3) 空中写真:多時期の空中写真を収集し、判読の材料とした。表 各指標と盛土抽出の特徴2. データの解析(1) DEMの解析:2時期のDEMデータから標高差分を取り、地形改変の可能性がある箇所を抽出した。日本工営株式会社は、総合建設コンサルタント会社として、全国で建設コンサルティング・エネルギー・都市空間事業を展開している。「誠意をもってことにあたり、技術を軸に社会に貢献する」という経営理念のもと、1946年(昭和21年)の設立以来、社会インフラの持続と発展をミッションとし、業務にあたっている。同社の国土保全部は、土砂災害による防災・減災に関する業務を担当する。有事の際には、地すべり、土石流といった土砂災害対応を行い、早期のインフラ復旧とその後の維持管理に携わっている。同部の減災への取り組みの一環として、土砂災害関連の基礎調査業務がある。これは土砂災害の発生が想定される範囲で、周辺の地形、地質、集水地形の有無等を調査し、リスク評価を行うものである。2021年(令和3年)に発生した「熱海市伊豆山土石流災害」を契機に改正された「宅地造成及び特定盛土等規制法」(以下、盛土規制法)に伴う基礎調査業務の実施において、ArcGISを活用している。2023年(令和5年)の盛土規制法の改正により、盛土等の崩落による災害から国民の生命・項目(指標)特徴観点ArcGISで実現する盛土規制法対応日本工営株式会社

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