ArcGIS 事例集 Vol.20
21/48

大島町土砂災害ハザードマップ長野県須坂市都市水害リスクの分析21る社員も増え、効果は確実に出ている。・ GIS利用基盤の整備4つの柱の中の「基盤」では社内でGISを円滑に利用できる環境を整えるための活動をしている。社員に対してArcGISを必要な時に自由に利用させるため社内でライセンスの不足がないかのアンケートを取り、現場の状況を把握している。さらに、全国の支社の社員がArcGISを利用する際に本社に問い合わせをしなくてすむように、各支社に管理者アカウントを割り振ることで、支社内でライセンスの分配ができるようにした。また社員のノウハウを共有する環境も整えている。現場の率直な意見は毎月開催されるワーキング・グループの活動内で集め、各部門の中でGISの操作に長けた社員のノウハウを共有する情報共有サイトも設置し活用している。さらにMicrosoft社のコミュニケーションツールであるYammerを使用してGISに関する質問を社内で投げ、回答を求める場も設けている。「GIS活用委員会」を設置したことで、これまでGISを使用していなかった社員にもGISの利活用が促進され、社内全体のGISの普及につながった。また社内にGISが普及したことで従来PowerPointやExcelなどで作業していた業務や判断を、地理情報を考慮して解析や意思決定ができるようになり、その応用範囲が広がってきた。効果は社内だけにとどまらない。社内のGISの技術レベルが高まったことにより、取り扱うことができる案件数が増え、以下のようにArcGISを使用した提案を行うことができた。・ 大島町におけるハザードマップの作成2013年(平成25年)10月の台風26号による土砂災害により多数の犠牲者を出した大島町の土砂災害警戒区域、避難施設、地形図などのGISデータを重ね合わせ、土砂災害ハザードマップを作成した。地域ごとにタイトルや凡例、説明などを加えたレイアウトを組み、印刷用やホームページ公開用のデータを出力できるようになった。また、開発を行う部署で作られた技術を提案現場でも水平展開できるようになり、提案の内容も広がった。・ 長野県須坂市の都市水害リスクの分析都市計画基礎調査の建物データの高さ情報とハザードマップの浸水深データを活用して3D表示し、都市の水害リスクを分析した。今後も「GIS活用委員会」の活動を続けながらGIS人材の育成により力を入れていく。また、独自のGIS資格試験制度(上級、中級)を設け、GIS人材育成に特化したプログラムを用意してGISに力を入れていることを外部にアピールし、GISが絡んだプロジェクトに信頼して声をかけてもらえるようにしていきたい。> 人材育成 > 建設活用事例■効果■今後の展望独自のGIS検定制度、社内のGISノウハウ共有の基盤整備でGISに強い企業に!

元のページ  ../index.html#21

このブックを見る