PROFILEPROFILE 16Case Studies Vol.21徳島県阿南市富岡町小山18-3授業への関心が高まるることが困難用が不足組みやすい授業を展開を教えやすい徳島大学 西條真結乃 氏(写真左から2番目)佛教大学 塚本章宏 教授(中央)徳島県立富岡西高等学校 四宮博樹 氏(右)徳島大学 夏目宗幸 准教授(写真左)組織名:徳島大学総合科学部住所:〒770-8502 徳島県徳島市南常三島町1丁目1番地問い合わせ先:徳島大学空間情報科学研究室Email:natsume@tokushima-u.ac.jp問い合わせ先:佛教大学歴史学部 塚本章宏Email:a-tsukamoto@bukkyo-u.ac.jp組織名:徳島県立富岡西高等学校住所:〒774-0030URL:https://tomiokanishi-hs.tokushima-ec.ed.jp/電話番号:0884-22-0041使用製品ArcGIS OnlineArcGIS ProArcGIS Experience BuilderArcGIS Survey123課題・地理必修化に伴い高校ではGISを利用する・GISを学んでいない教員にとってGISを教え・学校現場での情報機器の整備や端末の活導入効果・ゲーム要素を取り入れることで生徒が取り・GISに精通していない教員でもGISの概念・カードを出力するだけで授業ができるGISカードを使ったワークショップ■概要■課題■ArcGIS採用の理由■課題解決手法徳島大学では20年以上ArcGISを活用しており、その信頼性と実績が評価され、また富岡西高等学校がESRIジャパンの「小中高GIS利用支援プログラム」に申請していることから、ArcGISが無償で利用できる環境であった。高度な分析ができるデスクトップ版のArcGIS Proとクラウド版のArcGIS Onlineの連携がスムーズであり、プロフェッショナルな分析結果をそのままクラウド上で再現できる点もArcGIS選定の理由としてあげられる。また、ノーコードでWebアプリを作成できるArcGIS Experience Builderや、現地調査アプリのArcGIS Survey123などのツールを使って、Webマップの作成やデータ収集を効率的に行うことができる点も評価された。これにより GISの専門知識がない教員や生徒でも簡単に地図作成やデータ分析が可能である。さらに、ArcGISの豊富なアプリケーション群を活用することで、GISカードを教材として利用する幅が広がり、さまざまな教育ニーズに対応できる点も大きなメリットだと徳島大学の西條氏は話す。地理教員が直面する課題解決のために開発された「GISカード」は、GISの基本概念をゲーム感覚で学べるように設計されたカードゲーム型教材である。この教材は、ジョブカード、レイヤーカード、地域課題カードの3種類のカードで構成されており、チーム対抗で地域課題を解決するための最適なレイヤーの組み合わせを考える。 ・ 各カードの役割ジョブカード:ゲーム内での役割を決めるもので、専門家と市民に分かれる。専門家は「自然環境」「資源と産業」「人口・村落と2022年(令和4年)に高等学校において「地理総合」が必須科目となり、GISの概念を理解することが教員・生徒にとって必要となった。しかし、従来のGIS教材は高度な技術やPCの操作が必須であり、GISの利用経験の少ない教員が教えることは容易ではない。この状況を打破すべく、徳島大学と徳島県立富岡西高等学校(以下、富岡西高等学校)、ESRIジャパンでは、カードゲーム形式のGIS教材「GISカード®」の共同開発を進めてきた。富岡西高等学校での地理総合の授業を実践の場として、GISカードを使用したワークショップを行い、GISカードの教育効果を検証し、その成果を基にした授業計画の作成を目指している。教育現場における地理教育の必修化に伴い、GISの重要性が増している。しかし、従来のGIS教育では高度な知識や複雑なPC操作が必要で、情報機器が整備されていない学校や、GISに不慣れな教員にとってはハードルが高かった。そのため教員がGISの概念を教えること自体が難しく、教育の質にばらつきが生じていた。こうした背景から、情報機器が整備されていない環境でも簡単にGISの概念や有用性を教えることができる教材の開発を模索していた。カードゲーム型の教材「GISカード®」の開発徳島大学・徳島県立富岡西高等学校
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