ArcGIS 事例集 Vol.20
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台風15号で被災した静岡市内における路上堆積ごみの排出状況(環境省の現地調査)畳や大型家具などパッカー車では対応できない収集箇所を可視化ISUT-SITEと自動連携した災害廃棄物仮置場の地図(台風15号・静岡県内)Survey123で作成したWeb調査票を被災自治体の担当者に公開して情報収集を行った一般廃棄物焼却施設の検索ツール11まずは、災害廃棄物に関する情報の収集時期、利用目的、伝達経路等を整理し、省外の関係者も含めた基本的な情報共有フローを分析した上で、実際の災害対応で収集した情報やデータを用いて、現地調査アプリや情報共有用の地図コンテンツを試作した。令和4年台風15号での現地調査では、ArcGIS Survey123とArcGIS QuickCaptureを用いて、現場で撮影した写真とともに、仮置場の管理状況や路上堆積ごみの排出状況をその場で投稿し、ダッシュボード上で可視化する環境を構築したことでリアルタイムでの情報共有を実施することができた。また、これらの地図コンテンツを関東ブロック内に共有するため、主に内閣府防災担当と防災科学技術研究所で構成される災害時情報集約支援チーム(ISUT: Information Support Team)と双方のArcGIS Onlineでのパートナーコラボレーションによるグループ共有を行い、ISUTが管理・配信する災害対応機関専用Webサイト(ISUT-SITE)への自動連携を実現した。現地調査アプリを活用した現場-事務所-本省間での即時性のある情報共有に加えて、ISUT-SITEとの連携により、災害廃棄物処理の情報を被災地の災害対策本部や他の災害対応機関ともリアルタイムで共有することが可能となった。また、ISUT-SITEで提供される被害発生の推定範囲、SNS上の被害投稿、避難所の開設状況、インフラ・ライフライン等の復旧状況など、他機関から共有された情報を活用することで、より俯瞰的に被災状況を把握できるようになり、現地調査でも活かすことができた。災害発生時に、組織の垣根を超えた連携協力体制の構築に今回の成果を活かすため、関係者間での情報伝達訓練を行いながら関東ブロック全体での習熟を図っていきたい。また、今回の取り組みの中で、一般廃棄物焼却施設の業務統計データを活用して、施設の所在地や処理能力等の基本情報を可視化した検索ツールを試作している。このように、省内に蓄積されている統計情報や調査データを有効活用して、広域連携の検討に役立つ地図コンテンツを充実させていきたい。> 危機管理 > 防災活用事例■課題解決手法■効果■今後の展望現地調査アプリを利用した情報集約の効率化とリアルタイムで分かりやすい情報共有を目指して

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