ArcConnect No.1
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snoitcudortnI resU SGcrAI米国Esri社Jack Dangermond社長と各国の受賞者とともにEsriユーザー会にてLocal SDGs Platformを発表したSDGsのセッションSDGs進捗状況を測定しました。さらに、この測定結果を全国の自治体関係者に共有するために、オンライン プラットフォーム「Local SDGs Platform(https://local-sdgs.jp/)」を構築しました。プラットフォーム上では、256の各指標を用いて測定した各自治体のローカルSDGs進捗状況をダッシュボード形式で閲覧できます。また進捗状況を地図上に可視化し、その地理的な分布を確認できる機能を設けています。 ローカルSDGsの進捗状況から各自治体の強みを 分析するため、DEA(Data Envelop Analysis:包絡分析法)を用いた方法論を構築しました。DEAは入力、出力項目を与え、各項目の重みを乗じたのちに効率値と呼ばれるパラメーターを求める方法です。この時、各項目の重みは最終的に算出される効率値が最大となる ように算出します。算出された重みが最も大きい項目は、その地域の1番の特徴(=強み)だと解釈できます。この方法論により、17のSDGや経済、社会、環境の3側面 といった項目別に表現されていた地域の特徴を、1次 元に圧縮することができます。また、GISを用いて分析結果を可視化し、全国自治体の特徴を1枚の地図に示しました。 私は主にデータの可視化を行うためにGISを活用しています。1,788自治体におけるローカルSDGsの進捗状況の測定データは、表形式にまとめることがその整理に適していますが、それではデータを解釈するのが困難です。そこで、GISを活用し、地図上で自治体をローカルSDGsの進捗状況に応じて色分けをすることで、進捗 状況の地理的な分布を確認することができ、結果に対 する深い考察が可能になります。膨大なデータを手軽に分かりやすく可視化できる点に、GISの大きなメリットを感じています。 Esri Young Scholars Award受賞者として世界各国のGIS関係者が集まる Esriユーザー会(Esri User Conference、開催地:米国カリフォルニア州サンディエゴ市)に招待していただき、受賞内容をマップギャラリーに出展しました。マップギャラリーには作品の出展者が一堂に会し、各々のマップについて 発表・議論を行うコアタイムが設定されています。コアタイムでは、私の発表に対して日本国内の成果発表の場とは比にならないくらい多くの人に興味を持っていただきました。積極的に質問してくださる方が多く、とても充実した議論を交わせることができたように思います。中には、私と同様の研究テーマに取り組んでいる方もおり、 多くの気づきを得ることができました。 また、展示区画が同じだった各国のYoung Scholars Awardの受賞者たちと交流しました。皆、同年代ながら研究内容や発表のレベル、さらにはコミュニケーション能力が非常に高く圧倒されましたが、同時にとても良い刺激となりました。 今回の参加を通して、世界ではGISが非常に盛り上がっている分野であることを実感しました。今後の研究に生かせる知見を多く得ることができ、非常に有意義な経験となったように思います。さらに、今回のユーザー会参加が私にとっての初の海外渡航で、GISに関しても それ以外も多くのことを学ぶ機会となりました。このよ うな恵まれた機会を頂いたことに恥じないよう、より一層研究活動に取り組みます。ArcConnect 創刊号 2024.527Esri Young Scholars Award受賞作品について研究におけるArcGISの利用と効果Esriユーザー会への参加

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