ArcConnect No.1
24/36

24ArcConnect 創刊号 2024.5くどうともみ 札幌を拠点として、北海道から本州、時には海外で、野生動物の調査研究、普及啓発活動、国際協力など、 生物多様性保全に関わる幅広い活動を実施しています。・モバイル端末を活用した市民参加型調査の実施・生物多様性保全のためのGIS活用を地域で促進・市民を対象とした普及啓発活動の実施 ArcGIS OnlineやArcGIS Pro(NPOライセンス)を使用しています。 近年はArcGIS Field MapsやArcGIS Survey123を用いて、これまで調査用紙に記録していた調査をデジタル入力方式に移行したり、これまでには無かった新たな生物調査を開始したり、モバイル端末を 用いた活動を精力的に実施しています。タンチョウの分布の広がりを把握する活動や、外来カエルの侵入状況を確認する調査など、プロジェクトの目的や手法、そして対象生物は様々です。ArcGIS Onlineの大きな利点は、生物情報を GISコミュニティフォーラム マップギャラリー2023マップ部門において1位入賞作品(右ページ図)を制作された、特定非営利活動法人EnVision環境保全事務所の工藤知美様に、ArcGISを用いた業務や取り組み等について寄稿していただきました。収集する際の入力フォームや結果を表示するアウトプット地図のデザインを自由にカスタマイズできること、また参加者間で共有する情報の範囲を設定できることです。参加者や地域の状況に合わせてシステムの設計が自由に変更できることで、より調査の目的や手法に則した 結果を得ることができ、継続的に情報収集できる仕組みになることを実感しています。 紙で記録された情報や記憶に留まる地域の貴重な情報がデータ化、可視化、共有化されることで、環境保全のための計画づくりや普及啓発が促進されることが 期待できます。 近年、全国各地で風力発電施設や太陽光発電施設の建設が進んでいます。再生可能エネルギーは、温室効果ガスを排出しないという利点がある一方で、それらの建設のために、貴重な自然環境が失われている面もあります。ポスターで示した「キタサンショウウオの生息地とソーラーパネルの設置」は、まさにその事例です。釧路湿原の周辺は、日射量や地形などソーラーパネルをArcGISユーザー紹介特定非営利活動法人 EnVision環境保全事務所EnVision環境保全事務所について担当している業務業務におけるArcGISの利用と効果入賞作品に込めた思い工藤 知美 様

元のページ  ../index.html#24

このブックを見る