20ArcConnect 創刊号 2024.5■ ArcGIS Living Atlasの利用 弊社は、一部地域の登記所備付地図データを ArcGIS Living Atlas2) にて公開しました。利用者がそれぞれデータを変換する 登記所備付地図データとは、不動産登記簿に記録された土地の境界である筆界を明確にするため、法務局に備え付けられる地図のことです。登記所備付地図データが注目される理由の 1 つに、土地の識別番号である地番を持っている点が挙げられます。 登記所備付地図は、法務省によって整備が進められていますが、正確な座標を持つ地図の整備状況は全国の約60%程度とされており、全国的に網羅された正確な位置情報を持つ地図が整備されているわけではありません。 登記所備付地図データの座標系には留意が必要です。登記所備付地図データの座標系には、地籍調査等の測量に基づく正確な地図である公共座標系(平面直角座標系第1系~第19系、JGD2000 または JGD2011) 登記所備付地図データは、法務省が定めた地図XMLという 仕様に基づくファイルで提供されています。地図XMLには、図郭・筆・筆界線・筆界点・基準点・仮行政界線・図郭筆・筆界未定 構成筆といったデータが格納されます。G空間情報センターでは、オリジナルデータである地図XMLファイル、GISソフトで扱い易いデータ形式に変換済のデータが提供されています。ArcGISには、法務省地図XMLを利用するための方法が2種類あります。■ ArcGIS Pro アドインツールの利用 ArcGIS Pro のアドインツールである変換ツール(国内データ) for ArcGIS Pro1) は、地図XMLファイルの変換に対応しています。本ツールでは、地図XMLファイルに含まれる各データを、フィーチャクラスまたはテーブル としてインポートできます。さらに、対象の地図XMLファイルが公共座標系と任意座標系のどちらであるかを確認しCSVに出力するチェックツール、複数の地図XMLファイルの一括インひっかいと、公図等に基づく地図である任意座標系の2種類が存在し、データごとに座標系が異なります。任意座標系のデータは、座標の基準が任意に設定されており、GISに展開しても本来の場所には配置されません。任意座標系のデータには、複数の土地の集合が規則的に並べて配置されたケースも散見されました。ポート、同じ座標系を持つ地図XMLの結合など、地図XMLファイルの利用に伴う便利機能も提供しています。ことなく、ArcGISプラットフォーム全体で利用可能なフィーチャ レイヤーとして公開しています。形式データ座標系図郭、筆、筆界線、筆界点、基準点、仮行政界線、図郭筆、筆界未定構成筆、など公共座標系任意座標系地図XML地図XML公共座標系変換済ShapefileGeoJSON筆地図XMLArcGIS Pro変換結果2023年1月、法務省がG空間情報センターを通じて登記所備付地図データを一般公開しました。これまで一般開放されることがなかった、土地の境界ポリゴンと地番情報を持つ全国規模の公的なオープンデータとあって、大きな注目を集めました。本記事では登記所備付地図データをArcGISで利用するにあたってのヒントを紹介します。登記所備付地図データ地図XMLArcGISの対応法務省 登記所備付地図データ(地図XML)の活用のヒント
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