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掲載日:2007年6月20日 |
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年金問題やその他の問題にかき消されてしまい、知る人は知る、知らない人はきっと知らない状態だが、地理空間情報活用推進基本法が5月に成立した(当社HP記事)。今後この法案はどのような効果が期待されるのだろうか。 地理空間情報活用推進基本法は空間情報の活用を推進する取り組みを政府だけでなく地方公共団体に義務づけた。また大学や民間もその目的のため「努力」するとし、国には民間と連携することを義務づけた。何に実際は取り組むのか詳細は「地理空間情報活用推進基本計画」として別にこれから定めるとのことだ。 ただ法律本文だけを読んでも分かるインパクトの大きなことも書かれていた。 利用者の立場で大きな出来事としては、(1)国で整備するデータは原則無償でインターネット公開されること、(2)測位システムの信頼性が今より高まること、そして、行政にとって大きな出来事では、(3)作成する地図は電子データ化して更新も継続するとされたこと、(4)空間データの二重投資を避けるため既存データの活用を求められること、(5)国がソフト、技術者、データなどについて技術上の基準を定めること、といったあたりだろう。 もしも、今回の法律をきっかけとして、国の作成する空間データの品質が担保された状態で無償提供され、また位置情報が安定的に提供可能となれば、環境分野では解析に必要な空間データが揃っていない(以前のコラム参照)ためにこれまで事実上不可能であったGISを活用した各種の環境計画の策定が、実務レベルで行われることが期待できるだろう。最も大きなことは空間的情報を伴う様々な事務処理の生産性が飛躍的に向上することであろう。もちろん、民間ビジネスでの全く新しいGIS活用も加速するだろう。 ところで今回の法律を欧米の類似の法令と比較すると、そもそもアメリカは空間情報に関する基本法がなく、連邦政府内の内部規定(日本の政令相当)がある(Circular No. A-16)程度であった。このことは空間情報の活用が既に盛んなアメリカにしては意外な感もするが、日本のように制度的な縛りを設けて外圧で行政改革を後押しせざるを得ない状況ではなく、わざわざそのような仕組みが無用なことが理由と考えられよう。一方、EUは大体は日本と同じ進捗状況と言ってよかった。INSPIR(当社HP記事)が今年3月15日に施行され、現在EU加盟諸国で必要な各種の措置を作っている最中であった。これらの国々の制度と比べると日本の法律は民間との連携を明記しているところが特徴的であった。と、いうかそんなことまで書かないといけないのが恥ずかしく、悲しいかもしれないが・・・ 今のところ11月頃を目処として、政府の測位・地理情報システム等推進会議で最初の基本計画が策定されるとのことで、計画に盛り込むべき事項はこのようなものとのこと。素案で何が書かれるのか興味深い。10月頃にパブリックコメントを募集する予定らしいので皆様も意見を寄せてはいかがだろうか。空間データが無いために起こり得る経済・社会的な損失が法案施行をきっかけに解消されることを期待したい。 |
(コラムを書くにあたって参考にした情報源)
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