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GISデータはバーチャル(仮想現実)データだ。バーチャルだからこそ、その裏に実在するリアルワールドへ思いを馳せる想起力が求められるツールだ。 と、最近すこし思う機会があったので、記してみました。 先日、当HPニュース欄でご紹介させていただいた国連大学のレミチャンドラン氏に改めて、「野生動植物の違法取引監視システム(Wildlife Enforcement Monitoring System:WEMS)の最新の詳細を紹介していただける幸運に恵まれた。そこでせっかくの機会なので日本の大学で環境の勉強をしている学生さんらも誘って話を聞きに出かけた。 チャンドラン氏がプレゼンテーションの最初に紹介くださった、「衝撃的画像」はヘリコプターから撮影された、密猟者に象牙採集のため射殺された、おびただしい数のゾウの密猟写真だった。(出典は ナショナル ジオグラフィック日本版HP 中央アフリカのチャドでゾウ100頭の虐殺現場を発見) 彼はプレゼンテーションのあとの食事で学生達にこうアドバイスをしてくださった。「東京やニューヨークの快適なくらしで生まれ育った今の若者が、日本で象牙を買うことで遙か遠くのアフリカで生じる現実を実感できるものなのか心配している、東京以外の世界を見て、考えてほしい」と。 ArcIMSを用いて作ったWEMSは、ESRIジャパンが技術支援で協力してる。このシステムで野生生物の密輸ルートを地図表示して、日本に集中する無数の密輸トラッキングルートの状況を見せていただいたら、いかに日本が途上国のアンダーグラウンドな市場への経済的影響力が巨大なのか認めざるを得なかった。日本で暮らしていて、今までこのような問題を地図として確認し、よく考えたことがあっただろうか。 こうした話を聞かせてくれた国連大学に感謝したし、日本の団体、機関はもっと技術的に支援して良いのではないだろうか。今年の正月は、下に書いたようなことを考えさせられる時間だった。 なぜ私たちは社会科の授業で世界について学ぶのか。 リアルはあまりに広大で、複雑で、働きかけに対する結果も見えにくい。一昔前の公害や環境破壊は、被害に遭われた方には気の毒な事件ばかりであるが、犯人捜しが容易でまだ分かりやすかった。しかし今の地球温暖化や生態系の質の低下などは、原因も結果も人間の理解力はるかに上回るスケールで、わかりにくいし、見えにくい。一応、GISや温暖化シミュレーションモデルはそれを補うツールとして期待されているが、まだまだ不十分なレベルだ。 さらに深刻なのは使い手のリアル理解のためのリテラシーの低下ではないかと私は考えている。(国連大に連れて行った学生と話したり、社会人学生をしている関係で、学生と話す機会を通じて学力低下を感じたのだが。) リアル理解のための教育を担われている世の中の先生方!日本の将来のためにも、なにとぞ、どうか若者へのご指導よろしくお願いいたします。そしてGISのエンジニアの皆様!リアル理解を支援するツールの開発も、どうかどうかよろしくお願いいたします。 |
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