PCとPDA間のデータのやりとりについて

はじめに


以下で紹介する方法は、ArcPadを屋外で利用する際に必要となるデータの移動(PC ⇔ PDA)について記したものです。使用するデータは弊社で購入したものであり、通常はユーザ様が独自に作成するか、データベンダから入手する必要があります。フリーデータの情報についてはこちらをご覧下さい(GISの扉>フリーデータ)。

使用しているPC及びPDA

  • PDA
    • HP(COMPAQ) iPAQ 3630, 3660, h3900, h5550
    • 東芝 GENIOe550X, GENIOe550CT
  • PC
    • Windows XP(SP1), 2000(SP4)

必要なソフトウェア構成:

  • ESRI製品
    • ArcGISデスクトップ(ArcView, ArcEditor, ArcInfo)8.3以上
    • ArcPad6.01以上
    • 数値地図データ変換ツールVer. 4以上(試用版は対応データに制限あり)
    • 数値地図画像変換ツールVer. 2.1以上
  • Microsoft製品
    • Microsoft ActiveSync 3.5以上



準備


ActiveSyncによるデータ転送がPCとPDA間で正常に行えることを確認します。

取り込むデータを用意します。今回は以下のデータを使用します。

  • 国土地理院発行 数値地図全国2500分の1空間データ基盤-東京-
  • 国土地理院発行 数値地図25000(地図画像)-東京-

    ※試験公開として国土地理院運営のサイトよりダウンロードが可能となっております。
    空間データ基盤URL: http://sdf.gsi.go.jp/index.html
    地図画像URL: http://watchizu.gsi.go.jp/


地図画像(左)と空間データ基盤(右)


データ変換


空間データ基盤は数値地図データ変換ツールより、地図画像は数値地図画像変換ツールよりそれぞれArcGISでサポートするデータフォーマットへ変換します。

  • 空間データ基盤2500分の1(東京)の変換
    1. 「数値地図データ変換ツール」がインストールされていることを確認します。
    2. 空間データ基盤2500分の1が格納されているCD-ROMもしくはデータフォルダの位置を確認します。
    3. 数値地図データ変換ツールの起動ファイルであるsmapcnv.exeをダブルクリックします。
    4. 以下のようなメニューダイアログが表示されるので、[2500 空間データ基盤]を選択します。
      (拡大表示あり)
    5. データへのパスを指定します。例: CD-ROMの場合 E:\13TOKY09_1
    6. CD-ROMから読み込む場合などは少し時間が掛かりますが、以下のようなダイアログが表示されるまで暫く待ちます。表示されるダイアログで変換するレイヤ(道路、内水面等)を指定します。全てのレイヤを選び終わったら「投影情報」の出力を「出力する」に設定し、保存先を指定して変換を行います。
      (拡大表示あり)
      この時に作成されるデータの投影は「世界測地系平面直角座標第9系」になります。ArcGISではJGD2000_Japan_Zone_9として扱われます。
      ※古いデータである場合は旧測地系(GCS_Tokyo)の平面直角座標第9系で作成されます。
  • 地図画像25000分の1(東京)の変換
    1. 変換に使用するツール「数値地図画像変換ツール」はESRIJサイトよりダウンロードすることが可能です。
      URL: http://www.esrij.com/support/arcgis_desktop/downloads/DM_Raster.html
    2. ダウンロード後、DM_Raster.zipを解凍してサポートページの内容に沿って変換を進めてください。
    3. 変換後のデータの投影は世界測地系UTM54帯となります。ArcGISではJGD2000_UTM_Zone_54Nとして扱われます。


データの持ち出し


PCからPDAへのデータ転送に利用できるベクトル形式のソースデータとして以下の"3つ"が用意されております。
データソースは3つから選ぶことができますが、ArcPadではデータは常にシェープファイル形式で利用されます。
データソースがなんであるかに 応じて使用可能な機能も変わってきます。

ArcPadで編集後のデータで差分の更新を行う場合は以下のデータモデルを使用する必要があります。

  • パーソナル ジオデータベース
  • マルチユーザ ジオデータベース(エンタープライズ/ArcSDE ジオデータベース)

ここからはデータモデル別に説明を進めていきます。


 

PCにあるシェープファイルをソースデータとしてPDAとやりとりする場合
サポートするArcGISデスクトップ [ArcView] [ArcEditor] [ArcInfo]
データの追加/見栄えの設定


変換した各データをArcGISデスクトップ(ArcView, ArcEditor, ArcInfo)へ追加します。また追加されたデータの各レイヤに対して見栄えを設定します。

  • データ追加時もしくは、見栄え設定時の注意点
    • ArcPadでポリゴンにボーダー(外郭線)を使用すると輪郭が強調されすぎ、見栄えが悪くなります。
    • ArcMap上で設定したシンボルの内容は必ずしも全てArcPadへそのまま引き継ぐことはできません。ArcPad上でシンボルが不明になっているほとんどの場合は、ArcMap上で使用するシンボルFontがWindows CE(PDA)へインストールされていないために起こります。
      そのような場合はWindows上で使用しているFontのWindows CEへのコピーを行います。
      • ArcMap上で使用するシンボルFontを確認します。
        例 コピー元
        C:\WINDOWS\Fonts\esri_11.ttf (ESRI Default Marker)等
      • Fontをコピーし、ActiveSyncのエクスプローラなどからファイルをWindows CEへコピーします。
        例 コピー先
        \Windows\Fonts以下

ArcPadツールによるデータのエクスポート


ArcPadツールを使用してArcMap上で設定したデータからArcPad用にデータをエクスポートします。エクスポートされたデータはMicrosoft ActiveSyncを利用して、PDA側(\My Documents以下)へコピーされます。

  • データエクスポート時の注意点
    • データの見栄えについてはほぼそのまま継承されます
    • 座標情報についてはArcMap上で投影変換を掛けていた場合、ArcGIS8.3では継承されません。従って、エクスポート前に元データ自体に変換が行われている必要があります。 ArcGIS9を使用すれば、エクスポート時に投影変換が自動的に行われます
    • 切り出し範囲の任意の図形で設定する場合、ArcGIS8.3では正常に動作しない場合があります。表示している画面範囲や全域範囲であれば正常に動作します。ArcGIS9では全て正常に動作します
  • 手順
    1. ArcPadツールの起動
      ArcMap上のツールバー付近にある空白部分を右クリックしてArcPad用の拡張機能を追加します。
    2. ArcPadツールの一番左側にあるチェックアウトボタンをクリックすると以下のようなウィザードが起動し、データのエクスポートを行えます。

      まず、レイヤの選択を行います。 立ち上がったウィザードにはArcMapに追加されているレイヤがリストされています。ArcPad(PDA)へ移行するレイヤを選びます。選択後[次へ]ボタンをクリックします。
      (拡大表示あり)
    3. 次に、 切り出す範囲の選択を行います。ここでは、選択セットに含まれているデータのみであったり、検索式であったり、選択された属性項目のみを出力するように設定することが可能です。
      (拡大表示あり)
    4. 出力するときのフォルダ名称、及び出力先(通常同期フォルダ以下)を設定し、[完了]ボタンをクリックして終了です。
      (拡大表示あり)
    5. 全ての処理が終了すると同時にサマリが表示されます。
      (拡大表示あり)

同期ソフトウェアによるデータの更新(ファイル更新)


編集後、持ち帰ったデータはPDAの同期ソフトによってPC側の同期フォルダ内に更新されます。ソースデータがシェープファイルであるため差分更新はできませんが、更新されたデータをPC側でArcViewを使用して加工することにより(アペンドやマージ)マスターデータへと統合することが可能です。


PCにあるパーソナル ジオデータベースをソースデータとしてPDAとやりとりする場合
サポートするArcGISデスクトップ [ArcView] [ArcEditor] [ArcInfo]
データの追加/見栄えの設定


変換した各データをArcGISデスクトップ(ArcView, ArcEditor, ArcInfo)へ追加します。また追加されたデータの各レイヤに対して見栄えを設定します。

  • データ追加時もしくは、見栄え設定時の注意点
    • ArcPadでポリゴンにボーダー(外郭線)を使用すると輪郭が強調されすぎ、見栄えが悪くなります。
    • ArcMap上で設定したシンボルの内容は必ずしも全てArcPadへそのまま引き継ぐことはできません。ArcPad上でシンボルが不明になっているほとんどの場合は、ArcMap上で使用するシンボルFontがWindows CE(PDA)へインストールされていないために起こります。
      そのような場合はWindows上で使用しているFontのWindows CEへのコピーを行います。
      • ArcMap上で使用するシンボルFontを確認します。
        例 コピー元
        C:\WINDOWS\Fonts\esri_11.ttf (ESRI Default Marker)等
      • Fontをコピーし、ActiveSyncのエクスプローラなどからファイルをWindows CEへコピーします。
        例 コピー先
        \Windows\Fonts以下へ
    • 追加したレイヤ群は見栄え設定後、プロジェクトファイル(mxd)として保存します。
      チェックアウトやチェックインを簡便に行うために有効です。

ArcPadツールによるデータのチェックアウト


ArcPadツールを使用してArcMap上で設定したデータからArcPad用にデータをチェックアウトします。チェックアウトされたデータはMicrosoft ActiveSyncを利用して、PDA側(\My Documents以下)へコピーされます。チェックアウト時にはデータそのものの他にデータベースのスキーマ情報が出力されます。

  • データエクスポート時の注意点
    • データの見栄えについてはほぼそのまま継承されます
    • 座標情報についてはArcMap上で投影変換を掛けていた場合、ArcGIS8.3では継承されません。従って、エクスポート前に元データ自体に変換が行われている必要があります。 ArcGIS9を使用すれば、エクスポート時に投影変換が自動的に行われます
    • 切り出し範囲の任意の図形で設定する場合、ArcGIS8.3では正常に動作しない場合があります。表示している画面範囲や全域範囲であれば正常に動作します。ArcGIS9では全て正常に動作します
  • 手順
    1. ArcPadツールの起動
      ArcMap上のツールバー付近にある空白部分を右クリックしてArcPad用の拡張機能を追加します。
    2. ArcPadツールの一番左側にあるチェックアウトボタンをクリックすると以下のようなウィザードが起動し、データのエクスポートを行えます。

      まず、レイヤの選択を行います。 立ち上がったウィザードにはArcMapに追加されているレイヤがリストされています。ArcPad(PDA)へ移行するレイヤを選びます。選択後[次へ]ボタンをクリックします。
      (拡大表示あり)
    3. 出力するデータがジオデータベースである場合、自動的にDBのスキーマを使用するか否かの選択ダイアログが表示されます。
      (拡大表示あり)
      一覧されているレイヤリストから、ジオデータベース(*.mdb)内で定義されているルールを受け継ぐレイヤを選択します。既にデータのみがPDA側へ移行しているときは、スキーマのみを出力することも可能です(Only check out schema of layers...)。さらにスキーマを維持するために専用のデータ入力フォームを使用する必要があるため、そのサイズ(PDAでどのようなサイズで表示するか)を設定します(Size of editing form that will be generated)。
    4. 次に、 切り出す範囲の選択を行います。ここでは、選択セットに含まれているデータのみであったり、検索式であったり、選択された属性項目のみを出力するように設定することが可能です。
      (拡大表示あり)
    5. 出力するときのフォルダ名称、及び出力先(通常同期フォルダ以下)を設定し、[完了]ボタンをクリックして終了です。
      (拡大表示あり)
    6. 全ての処理が終了すると同時にサマリが表示されます。
      (拡大表示あり)

ArcPadツールによるデータのチェックイン


変編集後、持ち帰ったデータはPDAの同期ソフトによってPC側の同期フォルダ内に更新されます。ソースデータがジオデータベースであるため差分更新が可能です。ただし、パーソナルジオデータベースであるため、同じ範囲を複数のユーザから更新を行った場合は競合の検知はできません。別々の範囲でチェックアウト/チェックインを行うことをお勧め致します。

  • 手順
    1. ArcMapでチェックアウト時に使用したプロジェクトファイルを開きます。
    2. ArcPadツールの起動
      ArcMap上のツールバー付近にある空白部分を右クリックしてArcPad用の拡張機能を追加します。
    3. レイヤの編集を開始します。
    4. 編集が開始になるとArcPadツールの中央のボタンであるチェックインボタンがアクティブになります。
    5. チェックインボタンをクリックし、チェックインダイアログを表示させます。
      (拡大表示あり)
      屋外での編集結果を反映するためのレイヤを選択し[Check in]ボタンをクリックすると更新確認のダイアログが表示され、更新を許可すると変更内容(データの追加/削除、属性の変更)が反映されます。

PCにあるマルチユーザ ジオデータベースをソースデータとしてPDAとやりとりする場合
サポートするArcGISデスクトップ [ArcEditor] [ArcInfo]
データの追加/見栄えの設定


変換した各データをArcGISデスクトップ(ArcView, ArcEditor, ArcInfo)へ追加します。また追加されたデータの各レイヤに対して見栄えを設定します。

  • データ追加時もしくは、見栄え設定時の注意点
    • ArcPadでポリゴンにボーダー(外郭線)を使用すると輪郭が強調されすぎ、見栄えが悪くなります。
    • ArcMap上で設定したシンボルの内容は必ずしも全てArcPadへそのまま引き継ぐことはできません。ArcPad上でシンボルが不明になっているほとんどの場合は、ArcMap上で使用するシンボルFontがWindows CE(PDA)へインストールされていないために起こります。
      そのような場合はWindows上で使用しているFontのWindows CEへのコピーを行います。
      • ArcMap上で使用するシンボルFontを確認します。
        例 コピー元
        C:\WINDOWS\Fonts\esri_11.ttf (ESRI Default Marker)等
      • Fontをコピーし、ActiveSyncのエクスプローラなどからファイルをWindows CEへコピーします。
        例 コピー先
        \Windows\Fonts以下へ
    • 追加したレイヤ群は見栄え設定後、プロジェクトファイル(mxd)として保存します。
      チェックアウトやチェックインを簡便に行うために有効です。

ArcPadツールによるデータのチェックアウト


ArcPadツールを使用してArcMap上で設定したデータからArcPad用にデータをチェックアウトします。チェックアウトされたデータはMicrosoft ActiveSyncを利用して、PDA側(\My Documents以下)へコピーされます。チェックアウト時にはデータそのものの他にデータベースのスキーマ情報が出力されます。

  • データエクスポート時の注意点
    • データの見栄えについてはほぼそのまま継承されます
    • 座標情報についてはArcMap上で投影変換を掛けていた場合、ArcGIS8.3では継承されません。従って、エクスポート前に元データ自体に変換が行われている必要があります。 ArcGIS9を使用すれば、エクスポート時に投影変換が自動的に行われます
    • 切り出し範囲の任意の図形で設定する場合、ArcGIS8.3では正常に動作しない場合があります。表示している画面範囲や全域範囲であれば正常に動作します。ArcGIS9では全て正常に動作します
    • チェックアウトを行うジオデータベースはバージョニング対応にしておく必要があります
  • マルチユーザ ジオデータベース(ArcSDEジオデータベース)の有効活用
    • マルチユーザ ジオデータベースを使用している場合、競合の検知のためバージョニングという機能を利用することが可能になります。ArcPadにはバージョンを管理する機能は用意されておりませんが、チェックアウト時にバージョンを作成し、子バージョンからチェックアウトを行うことで、競合の検知を行うことが可能となります。バージョンを作成する際は、ArcMapのバージョニングツールを使用します。
  • 手順
    1. ArcPadツールの起動
      ArcMap上のツールバー付近にある空白部分を右クリックしてArcPad用の拡張機能を追加します。
    2. ArcPadツールの一番左側にあるチェックアウトボタンをクリックすると以下のようなウィザードが起動し、データのエクスポートを行えます。

      まず、レイヤの選択を行います。 立ち上がったウィザードにはArcMapに追加されているレイヤがリストされています。ArcPad(PDA)へ移行するレイヤを選びます。選択後[次へ]ボタンをクリックします。
      (拡大表示あり)
    3. 出力するデータがジオデータベースである場合、自動的にDBのスキーマを使用するか否かの選択ダイアログが表示されます。
      (拡大表示あり)
      一覧されているレイヤリストから、ジオデータベース内で定義されているルールを受け継ぐレイヤを選択します。既にデータのみがPDA側へ移行しているときは、スキーマのみを出力することも可能です(Only check out schema of layers...)。さらにスキーマを維持するために専用のデータ入力フォームを使用する必要があるため、そのサイズ(PDAでどのようなサイズで表示するか)を設定します(Size of editing form that will be generated)。
    4. 次に、 切り出す範囲の選択を行います。ここでは、選択セットに含まれているデータのみであったり、検索式であったり、選択された属性項目のみを出力するように設定することが可能です。
      (拡大表示あり)
    5. 出力するときのフォルダ名称、及び出力先(通常同期フォルダ以下)を設定し、[完了]ボタンをクリックして終了です。
      (拡大表示あり)
    6. 全ての処理が終了すると同時にサマリが表示されます。
      (拡大表示あり)

ArcPadツールによるデータのチェックイン


変編集後、持ち帰ったデータはPDAの同期ソフトによってPC側の同期フォルダ内に更新されます。ソースデータがジオデータベースであるため差分更新が可能です。また、マルチユーザ ジオデータベースであるため、バージョンを作成しておくと同じ範囲を複数のユーザから更新を行った場合、競合が発生していれば検知することが可能です。

  • 手順
    1. ArcMapでチェックアウト時に使用したプロジェクトファイルを開きます。
    2. 差分更新を行うジオデータベースのバージョンがデータ出力時と同じバージョンであることを確認します。
    3. ArcPadツールの起動
      ArcMap上のツールバー付近にある空白部分を右クリックしてArcPad用の拡張機能を追加します。
    4. レイヤの編集を開始します。
    5. 編集が開始になるとArcPadツールの中央のボタンであるチェックインボタンがアクティブになります。
    6. チェックインボタンをクリックし、チェックインダイアログを表示させます。
      (拡大表示あり)
      屋外での編集結果を反映するためのレイヤを選択し[Check in]ボタンをクリックすると更新確認のダイアログが表示され、更新を許可すると変更内容(データの追加/削除、属性の変更)が反映されます。

 

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