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IoT と GISの活用で工場の生産効率を改善

 

センサーと屋内位置情報の活用

身の回りにある「モノ」にセンサーが組み込まれ直接インターネットにつながることで、モノ同士またはモノとヒトが相互に通信できるようになる IoT(Internet of Things)というコンセプトのもと、製造業の高度化や最適化を図る動きが活発化しています。モノに取り付けられたセンサーから送信される様々なデータを活用することで新たな価値の創出につなげられる可能性があり、これによりインダストリー 4.0 とも呼ばれる第 4 次産業革命が起こる、とも言われています。

センサーにより得られるモノのデータの中には位置情報が含まれたものもあります。GPS の電波が届かないため、これまで屋内の位置情報の取得は困難でしたが、現在はビーコンやセンサーなどの活用で屋内のモノの位置を把握する技術も生まれつつあります。製造業では、例えば工場で作られる車の部品などにセンサーを取り付けることで生産ライン上の位置を把握することが可能になります。

位置の把握と作業滞留状況の見える化で生産効率の改善につなげる

工場内のモノの位置情報が把握できることで、例えば次のような問題点の解決に向けて GIS を活用することができます。

・生産ライン上のどこで(またはなぜ)作業が滞留しているのかわからない

センサーで収集された製造中のモノの位置情報を解析することで、GIS 上でヒートマップを作成し、データの空間的な密度を可視化することができます。これにより、生産ライン上のモノの密度が高い場所(≒モノの流れがスムーズでない場所)を把握することで、どこで作業が滞留しているのかを直感的に理解することが可能になります。

また、作業の滞留箇所に注目して観察することで、なぜ作業が滞留しているのかを理解し、業務効率の改善に向けた施策の検討につなげることが可能になります。

・工場内で機材や部品の位置がどこにあるか把握できない

GIS では、センサーで把握したモノの位置をリアルタイムで地図上に可視化することが可能です。これにより、どこに何があるかを地図で直感的に理解できるため、例えば備品や部材の位置を把握し、それらを探す時間を削減したり、紛失を防止したりすることが可能です。

製造現場では部材の出入庫や完成品の出荷など、常に多くのモノが動いています。また、備品などは生産計画や生産ラインの変更によりレイアウトが変わることもあります。こうした中で、しっかりとした所在管理がなされていない場合、備品や部材を探すことに多大な時間がかかるほか、見つからない場合、再度同じものを購入するコストも発生します。GIS の活用による位置情報の把握により、こうした問題点の解決を図ることが可能になります。

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※ 本ハンドブックは製造業の事業社のみ配布させていただいております。 配布をお断りさせていただくことがありますが予めご了承ください。

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掲載種別

  • 活用法

掲載日

  • 2016年2月18日