花粉が飛び交う季節。対策用のマスクを着用して通勤するビジネスマンの姿もよく見かけます。けれども、この時期、気になるのは花粉だけではありません。窓や車、洗濯物などを汚す黄砂の飛来量が増えてきているのです。
黄砂とは、中国内陸部やモンゴルなどの砂漠地帯の砂が強風によって上空に巻き上げられ、偏西風に乗って日本や東アジアの広範な地域に飛来する現象。こうした砂は中国の工業地帯の上空を通過する際に有害な化学物質によって汚染されているとも言われ、アレルギー症状の悪化など人々の健康への影響も懸念されています。
そこで、環境省はこのほど、東アジア地域における黄砂の最新の飛来状況を地図上に表示するホームページを開設しました。飛来状況のデータは、日本12ヵ所、モンゴル3ヵ所、韓国1ヵ所の計16ヵ所のもの。レーザー光によって空中の微粒子を観測するリモートセンシング機器の一種、ライダー観測装置によって、地上から上空1kmまでの大気1m3中に含まれる黄砂の量(mg/m3)を毎日20分ごとに観測しています。
また、この環境省のページでは、ライダーデータを利用したシミュレーションモデルによる黄砂の予想分布図も公開されています。これは、国立環境研究所と九州大学応用力学研究所との共同研究によるもので、明後日までの黄砂の平均濃度の推移を見ることができます。
他方、気象庁でも、独自の数値予測モデルに基づいて、3日先までの黄砂の予想濃度分布図を公開し始めました。もともと気象庁では、太陽光強度変化を測定するサンフォトメータ、エーロゾルライダー、気象衛星などのリモートセンシング技術による観測装置を用いて、黄砂の分布状況をリアルタイムに観測しており、今回はそのデータの蓄積を基に予測濃度の計算モデルを確立したものです。
リモートセンシング技術を活かした大気中のエアロゾル(黄砂や大気汚染物質)観測は、刻々と進歩しているようです。
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