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掲載日:2008年2月29日

衛星リモートセンシング業界とGIS業界が気候変動に対応策
〜「Planet Action(プラネットアクション)」が賛同・協力団体を募集中〜

Planet Action(プラネットアクション)は、衛星画像業界のリーダ的存在であるSpot Image社とESRI社が立ち上げた非営利協同イニシアチブです。設立の目的は、人々の生活と居住地、干ばつと水資源、植生とエコシステム、海、氷と積雪の5つの環境分野における気候変動の影響の調査、評価を行うプロジェクトを支援し、衛星リモートセンシングとGISに関わる専門家による気候変動問題への取り組みを促進することです。2007年6月に設立したプラネットアクションイニシアチブは、環境問題への理解と対策を促進するプロジェクトを支援し、気候変動問題に対する世界的協力と対応の強化を目指しています。

気候変動は人類が直面する最も重要な問題となりつつあります。小さな気温の変化が些細なことと思われがちなのは、普段あまり意識することがないからです。自然界では、気温はエネルギーを表し、海と空気が熱エネルギーに呼応して動くことで、物質が循環します。地球を覆う大洋での小さな気温の変化は、熱エネルギ―に大きな変動をもたらします。この熱エネルギーの変動が凝縮すると、巨大なハリケーンや嵐を生み出します。また、昆虫のライフサイクルは小さな気温の変化に左右されます。気温の変化が特定の時期に重なると、景観や森林、農耕地を破壊するほどの病害虫や伝染病媒介生物の大量発生の原因となります。自然界に存在するすべてのものは相互に関わりあっているので、ある地域での変化が他の地域や生物に影響を与え、影響の連鎖を拡大させていきます。例えば、南カリフォルニアの気候変動はキクイムシの大量発生を誘発し、多くの木々が立ち枯れを起こしました。加えて、雑木林やかつて自然発火サイクルがあった地域での宅地開発が、自然破壊の大きな要因にもなっています。

沿岸地域一帯の環境と人々の生活、森林と野生生物の存続は、私たちを取り巻く環境やエコシステムの変化を研究、理解し、それをどれだけ共有できるかにかかっているのかもしれません。地球観測画像を利用することで、地球上でどのような問題がどのくらいのペースで発生しているかを理解し可視化することができます。長期間同じ場所を撮影した画像をいくつも重ねることで、氷河の後退、氷床の融解、湖や森林減少の度合を導き出します。また、GISテクノロジーは、私たちの生活に関わる多くの分野での有用性が認められ、使いやすいソフトウェアとして多くの人々の支持を得ています。科学的に高度で複雑な研究を円滑にし、またそれを管理していく上で強力なツールとしても知られています。このように、地球観測画像とGISを組み合わせることで、気候変動を空間的かつ双方向的に可視化し、変化を明確にすることができるのです。

規制を二の次とした風習と急速なテクノロジーの発展が、気候変動の要因であることは多くの書物からも明らかです。プラネットアクションは、これらの問題解決にもテクノロジーが有効であると考え、多くの環境系NPOが利用できる高度な空間テクノロジーの構築を目指しています。それによって各団体は、気候変動問題の理解と活動を行うための最良のツールを利用できるようになるのです。

プラネットアクションは、3つの柱となる行動指針を策定しています。まず1つ目として、気候変動が与える影響の分析や対策を提言するプロジェクトをその大きさに関係なく支援することです。2つ目は、プロジェクトを推進する団体間のコラボレーションを支援し、各プロジェクトチーム、地域社会、グローバルに活動する団体同士を地球観測画像とGISを利用してつなげていくことです。3つ目の目標は、気候変動問題への取組みに人々の参加を促していくことです。プラネットアクションの目的は行動を起こすことにあり、以下の方針に見合うプロジェクトの継続的支援を行っています。
 ・情報の公開と管理、プロジェクトから生み出されたナレッジの共通のディポジトリを介した気候変動関連インターネットプラットホームのやりとり。
 ・プラネットアクションプロジェクトとインターネットプラットフォームから支援を受ける教育、福祉プログラムの円滑化。

■プロジェクトの基準
プラネットアクションの支援を受けるには特定の基準を満たす必要があります。各プロジェクトは、気候変動の影響を評定し、一連の対策を打ち出すことが求められます。また、プラネットアクションの指針の1つに焦点をあて、問題に対する科学的理解、適切な情報源と手法でプロジェクトが構成されている必要があります。プロジェクトチームは、プロジェクト遂行地域に拠点を据え、プロジェクトの目的とチームのメンバーはプラネットアクション科学委員会から認証を受ける必要があります。支援対象とされたプロジェクトは、先着順で支援を受けることができます。プロジェクトには、ビジネススポンサーや設立メンバー、パートナー、その他基金、または一般から補助金が提供されます。プロジェクトの収入が運営費を上回った場合、プラネットアクション基金が他のプロジェクトに資金を割り当てます。

■パートナーになるには
すべての企業、事業団体がプラネットアクションのパートナーもしくはメンバーになることができます。「プラネットアクションパートナー」は、プラネットアクションの設立企業であるSpot Image社とESRI社と同様に、プロジェクトに対し低価格または無償で製品やサービスの提供を行います。プロジェクトの選定と管理プロセスへも参加し、プラネットアクションのナレッジプラットフォームの構築に積極的に関わることができます。また、「プラネットアクションメンバー」についても、衛星リモートセンシング業界やGIS業界に限らず、プラネットアクションの趣旨に賛同し年間を通した資金提供が可能な企業、団体であれば、会員になることができます。

毎年、プラネットアクション基金は、プロジェクト、プラットフォームのやりとり、教育と福祉に関するプログラムの募集を行っています。基金は様々なプロジェクトに関連した業務にも携わり、衛星画像分析の支援やデータ収集と分析のサポート、同じような研究に携わるチーム同士の結びつけ、ガイダンスや助言、プロジェクトの選択と分析への参加を行っています。また、パートナー企業からの資金集めや寄贈物の管理も基金の責務であり、基金がプラネットアクションのイニシアチブに組み込まれるまで、その義務はパートナー企業間で設立された運営委員会が行っていくことになります。

マルティニーク島沖合のサンゴ礁の白化を撮影したSpot Image社の衛星画像です。
現在プラネットアクションのプロジェクトとして、カリブ海での白化現象の把握を行っています。

■現在活動中のプラネットアクションのプロジェクト
<カリブ海マルティニーク島でのサンゴの白化>
・問題点
カリブ海に浮かぶマルティニーク島一帯の海水温上昇により、沖合のサンゴ礁が白化し、その色合いを失いつつあります。これは、サンゴ礁消滅の可能性を示唆しています。サンゴ礁は海中生物の多様性にとって不可欠なので、サンゴ礁の消滅はマルティニーク島の社会経済に大きな打撃をあたえることになるでしょう。
・目的
地域の環境系パートナーやギアナ・アンティル大学の科学者と連携して、カリブ海地域でのサンゴ礁の白化をマッピングし把握します。
・プロジェクトチーム:
Dynecar: ギアナ・アンティル大学にある研究室
Nev@ntropic: Spot Image社とフランス開発研究所が共同で設立したフランス領ガイアナを拠点とした企業で、地域の地球観測画像受信局向けの情報サービスの構築と運営、森林伐採の監視、健康と環境、海洋環境の監視、都市計画の分野で活動しています。

<アフリカ コートジボワールでの森林保全>
・問題点
農林業は農業と林業を一体化し、環境や経済の側面から農地や放牧地の植林や管理を行うことです。プロジェクトは自然林の状況を把握し、コートジボアール タイ国立公園に近い小規模農地で実施されている農林業の効果を調査するものです。
・目的
森林破壊に対する農林業実施および地域の人口構造を改善するための農村開発の有用性を明らかにします。
・プロジェクトチーム:
このプロジェクトは、プロ・ナトゥーラインターナショナルとユネスコ(UNESCO)の共同事業で、多くの農村地域が直面している社会、経済、環境の諸問題について、共通の懸案事項を浮き彫りにしています。ユネスコの長期的生物圏プロジェクトは、人々と環境の関わりの改善を目的とし、生物の減少を防くための環境保護や社会的、経済的問題を重点的に扱っています。コートジボワールのタイ国立公園には、UNESCOの事務所があり、野生動物保護地区でもあります。

<マダガスカル島アノニー湖>
・問題点
南マダガスカルには、外来種が偶然にあるいは経済的理由から多数持ち込まれています。人々の生活と地球温暖化があいまって、外来種が在来のエコシステムを破壊し繁殖しています。
・目的
在来種を駆逐する主要な外来植物種の特定を目的とした観察を行い、マダガスカル南部トロナロ地域の外来種を識別することです。
・プロジェクトチーム
Graines d'iles はフランスを拠点とし2004年に設立された非特定営利団体で、世界的に島々の生態系の保全を行っています。

関連リンク

ArcNews Online: Earth Observation and GIS Industries Take Action Against Climate Change

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