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掲載日:2007年10月17日

イギリス キュー王立植物園が、GISによる初のマダガスカル植生地図帳を作成

地図帳表紙

マダガスカル島は世界で4番目に大きな島で、世界のトップ10に数えられるほど生物が多様なことで知られています。推定約8,000から12,000種の植物が生息し、80%以上が固有種です。 マダガスカル島に人類が足を踏み入れてからまだ2,000年あまりですが、世界的に貴重な原生林のほとんどが失われてしまっています。その植物の特異性により、マダガスカル島は世界的保護活動の 最も重要な地域となっています。

イギリスにあるキュー王立植物園では、クリティカル・エコシステム・パートナーシップ基金とマダガスカル・パートナー・インスティテューションズと連携し、現地調査と衛星画像から得た植生データをマップベースの情報システムに収集し統合しています。これが初のマダガスカル植生地図帳とWebサイトの作成へとつながり、マダガスカル政府と国民が持続可能な未来を描く手助けとなっています。キュー王立植物園の任務は、生活の質を向上させながら、科学に基づいた植生の保護を世界に啓蒙していくことです。

マダガスカル島の保全計画や資源管理に正確かつ最新の植生マップは欠かせません。マップの基となるデータは、基本的に無償で入手することができるため、自然保護団体、政府機関、教育機関、その他関係者が最新の基本データセットを使用し、活動の基礎としています。マダガスカル植生地図帳のデジタル版は、キュー王立植物園のWebサイト(www.vegmad.org)で閲覧することができ、地域の専門家による継続的なマップの向上とアップデートを奨励しています。また、植生マップが意図している役割を満たすため、現存する多様な植生種が生息する領域を正確に定め、現場で簡単に見分けることができ、基本的な生物学的差異(主な構造的特徴、例えば生物生態学)を確実に反映した対象カテゴリーにこれらの領域を割り当てる必要があります。

<手法>
マッピングの方法論として使用された先例には、フランク・ホワイトのアフリカ植生地図(Frank White's Vegetation Map of Africa ,1983)に始まり、リモートセンシングや聞き取り調査、国、地域、地区レベルの豊富な情報を利用する等がありました。ホワイトの地図は制作に20年以上かかりましたが、過去20年のリモートセンシングやGIS、コミュニケーションテクノロジーの目覚ましい進歩のおかげで、マダガスカル地図帳ははるかに短期間で完成しました。また、広範囲にわたる野外調査にGPS機能搭載のPDAとArcPadを用いることで、その土地の植生パターンを短時間にかつ正確に読み取ることが容易となりました。

ランドサットETM画像(左)、植生分類(中央)、出版用の画像(右)

当初、生物多様性応用自然科学センターによる分類は、推定される植生種の重要なデータを提供する生物季節(植物の季節性)の情報を付与するため、中分解能撮像分光放射計(MODIS)画像を月毎に合成したものが使用されました。そして、さらに細かい分解能を与えるため、ランドサット衛星画像が森林と非森林成層を区別するために使われました。次に、広範囲にわたる現地調査や最近のランドサット衛星画像のさらなる解析を通し見栄えのするマップとなりました。一連のワークショップ、フィールドワーク、ArcIMSを使用したWebサイトを通して専門家の知識が持ち寄られ、重要な地域は追加のフィールドワークや衛星画像が必要な場所として強調表示されました。すべての情報はArcGISで照合され、これにより更新したデータのWebサイトにアップロードや、すべての現地調査のデータやコメントの記録を可能にしました。編集のすべての段階で、衛星とマップのデータはGISレイヤと一般的なマップの両方の形式で、インターネットを通して入手することができました。

<結果>
ユーザ志向で、使いやすく、新しくて正確な1:500,000縮尺の植生地図帳が、最終成果物として印刷版とデジタル版で2006年4月にマダガスカルで開催されたユーザコミュニティ向け会議で紹介されました。この会議には、環境保全団体、政府機関、教育機関、民間企業を含む可能な限り多くの潜在ユーザグループが招待されました。草案マップが25団体40名以上の参加者に発表され、その正確性とアプリケーションが試されました。ワークショップにおけるユーザの提言は、最終成果物に取り入れられました。最終版の地図帳では、各植生タイプの説明と写真、保全レベルの統計、環境破壊の割合、標高、気候、生息領域、保全の重要度が盛り込まれています。GISとリモートセンシングの機能とマダガスカルの専門チームの力を最大限に生かした結果が、今回の成果へとつながりました。

ユニークなとげのある植物の森として紹介されているページ

マダガスカル植生地図帳はマダガスカル政府自身のダーバンビジョンプロセスやマダガスカル環境行動計画といったイニシアチブの目的を支援するために整備されました。具体的には、調査地からのデータ収集に重点をおいているマダガスカル環境プログラム2(Madagascar's Programme Environment 2)と、環境プログラム2から得たデータを環境管理に利用する環境プログラム3(Madagascar's Programme Environment 3)をサポートしています。加えてこのプロジェクトは、クリティカル・エコシステム・パートナーシップ基金の投資戦略を完全に反映しており、植物研究機関、国際的または地域に密着したNGOからの専門家や土地利用/天然資源管理者間の包括的な協力の結果であるといえます。

 

関連リンク

ArcNews Online: GIS Instrumental in Creating First Vegetation Atlas for Madagascar

 
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