Google
トップページ 製品情報 サポート お問合せ&ご購入 GIS適用分野&事例 GISコミュニティ 会社概要
掲載日:2007年3月9日

人口増加に対応した2020年までの基本計画をGISにより策定:中国北京

中国の首都である北京では、急速な経済成長と平行して著しい開発が進められている。1991年から2001年までの10年間に、1080万だった人口が1400万人にまで増加(22%増)した。今後20年間に、さらに700万人の人口増加が予測されている。このような著しい変化と将来の大規模開発の計画に対応するため、北京市政都市計画委員会(the Beijing Municipal Commission of Urban Planning [以下:BMCUP])は、2020年までの基本都市計画の見直しを行った。見直しでは、急速な都市化に対応する新たなガイドラインとして、過去20年間に行われてきた非効率的な土地利用とインフラの縮小、市が直面している社会的、経済的、物理的開発における課題点への対応が模索された。

北京市では、市の公式な人口と雇用予測が明確でないため、今後の土地利用の傾向を推測することが難しい。公式な人口増加予測から導かれるはずの経済成長率の欠如や、不完全な世帯登録システムが正確な予測を困難にしている。北京都市計画基本プラン見直しの技術支援プロジェクトは、リンコーン土地政策研究所と北京都市計画委員会と共同で、これらの問題に対応するためのシナリオ分析を行った。プロジェクトは、都市研究・計画の助教授で、中国土地政策と都市管理プログラムのディレクターであるChengri Ding助教授を主調査員、都市研究・計画の教授でメリーランド大学 National Center for Smart Growth Researchの事務局長Gerrit Knaap教授を共同主調査員として行われた。プロジェクトチームの主なゴールの一つとして、シナリオベース調査のためのGIS分析の導入があげられた。これは、政策検討事項を明らかにし、計画段階における新たな定量化のためツールの有用性を実証するためのものであった。

すべての潜在的発展に関する悪影響を見定め、最適な計画を実施するためには、様々なシナリオを分析する必要があった。またそれは地域により多様な要因に左右された。「私たちは市場推移案の方向性を明示し、主に3つの課題についてプロジェクトチームを支援した。これはまず、定量化のためにツールを用いた、客観的評価が可能な計画の作成。次に、予測を含んだ計画と政策分析の提供。最後に、各国の都市開発の教訓から考慮が必要となる事柄であった」とDing氏は語る。

プロジェクトチームは、ESRIのビジネスパートナーであるCriterion Planner Inc. の、INDEXプランニングサポートアプリケーションを本プロジェクトに採用した。INDEXは、GISベースのシナリオツールで、ArcViewとArcEditorをプラットフォームとして動作し、現状を基準とした評価を行い、将来のシナリオを組み立てていく。本ソフトウェアは、今回の課題解決に最適であるとして選ばれた。

GISは、人口や雇用分布、既存の土地利用、交通網、環境要因、その他変化を空間データとして取扱うために利用された。様々な発展要因を鑑みることで、エリア分析がなされ、最適な開発計画が見い出された。

「INDEXは、住宅、仕事、地域の交通利便性のデータと道路情報、交通ネットワークを一体化することを可能にした」とCriterion and the GIS Specialist for INDEXのEliot Allenは述べている。「このシステムは、北京市政都市計画委員が人口密度、職場への距離、仕事と住宅のバランスなどを予測するため、住環境、仕事などの重要なファクターをメニューから選択する事ができる。」

このプロジェクトは、多数のシナリオをシミュレーションすることで2020年までの北京の経済、人口の増加の予測に対する幅広いオプションを政策立案者に提供した。政策立案者は、様々なシナリオに対する評価の客観的手法を得ることでCriterion社のソフトウェアに信頼を寄せた。シナリオの構築は、現状と将来の成長率に影響する様々な変化についての分析から始められた。様々な将来性を評価するために、要因(インディケーター)メニューから分析する要因のタイプを選択し、計算ボタンをクリックするとArcEditorに北京市のデータがアップロードされた。入力された要因から、空間パターンを表示する地図とスコアーテーブルが作成された。その情報を使用し、現在の人口と雇用状況、交通網、開発の将来性とアクセスをマッピングし、分析した。

コンパクト型拡大のシナリオ

プロジェクトチームは、現状と人口・雇用の増加予測を基準とし、北京市に関して、コンパクト型拡大、東地区型拡大、郊外型拡大の3つのシナリオを策定した。コンパクト型拡大とは、すべての新たな開発や密度の増加が、現在の北京市内の交通網に沿った地域で展開されることを表している。東地区型拡大は、BMCPが現在進めている多くの政策を盛り込んだシナリオである。そして最後のシナリオとして、現状の高密度地域から継続的に郊外へ広がっていく郊外型をあげている。

これらのシナリオには、人口と雇用の拡大、新たな交通施設により変動する空間分布が盛り込まれている。シナリオ作成のための様々な要因は、2100万の人口と800万人の雇用機会に対応し、それぞれが都市部における人口と雇用の分布をあらわしている。

雇用密度、交通量、排気ガス排出量などのシナリオに含まれる要因を使用した結果、コンパクト型拡大が最も望ましいと結論づけられた。これらの結果は、データ収集のアップグレードと保守、重要な政策の考慮事項の精査等の提言とともにまとめられた。「プロジェクトの内容は書籍として出版され、中国での本分野におけるベストセラーとなった」とDing氏は語る。「多くの提言が、本プロジェクトから取り上げられた。また、市場動向や将来は不透明なため、柔軟であることの重要性を学んだ。BMCUPは、2020年における調整可能な人口数としてこの提言を採用した。またこのような計画実務は、中国において初の試みであった。」

GISテクノロジーは、市場要因が生み出す人口増加による地域の複雑性と不透明さに対応することができる価値のある手段と証明された。

 

 

関連リンク

ArcNews Online: Beijing, China, Plans 2020 Growth with GIS
http://www.esri.com/news/arcnews/fall06articles/meeting-population.html

 

 
サイトマップ ポリシー プライバシーポリシー 米国ESRIサイト 米国ERDASサイト
Copyright (c) ESRI JAPAN. All rights reserved.