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掲載日:2006年2月13日
災害救助活動をGISボランティアが支える−ハリケーンカトリーナの例−
 
ハリケーンカトリーナに対する復興活動は、公共及び私営など広範囲に渡る様々な人々や組織によって支えられました。ミシシッピ州にてthe Urban and Regional Information System Association (URISA) GISCorpsから参加したGISボランティアの一団は、最初に現場に到着したボランティアグループの一つでした。

GISCorpsの設立者でもあり議長でもあるShoreh Elhamiはこう述べています。
「我々の最初の仕事は、2004年に起きた津波の災害救助活動でした。新しいプロジェクトが起こる度、更に多くのボランティアが仲間に加わりすばらしい働きをなしています。カトリーナの件も、このようなGISコミュニティの災害に対する大きな関心の表れの一つでしょう。こういった動きが活発になっていることで、私はGISという職業を選んだ事をとても誇りに思っています。」

2005年8月30日、ハリケーンカトリーナが湾岸地区一帯に大規模な打撃を与えた後、ミシシッピー州クリーブランドに所在するDelta State UniversityにてInterdisciplinary Geospatial Technology Centerの所長を務めているTalbot Brooks教授は、GIS専門家でもあり、ハリケーン発生以前からGISサービスを提供していました。彼はGIS援助を求めてESRI社を通しGISCorpsのElhamiと連絡をとりました。この問い合わせに応じ、GISCorpsは災害復旧活動を援助する為、広範囲に渡りボランティアを呼びかけました。この呼びかけに対し、ボランティアを希望する3,000近くの問い合わせが殺到しました。ミシシッピ州からの特別な要望を元に、20人編制のGISチームが2チーム、32名以上のボランティアと共にミシシッピ州に配属されました。彼らの働きは、ハリケーン通過直後の緊急援助活動に対し多大に貢献しました。

Brooksはこう述べています。
「それは、真のチームワークでした。GISCorps、Geospatial Information and Technology Association (GITA)、ESRI、Leica Geosystems、及びミシシッピー州の政府機関と教育機関からのボランティアなど、全ての人がGIS技術を駆使しながら災害救助活動に重要な役割を果たしていました。地図及びそれに伴う分析は、これら全ての参加機関から用意されました。又、使用された全データはMississippi Emergency Management Agency、Mississippi Automated Resource Information System、ESRI、及びその他の機関から提供されました。」


GISボランティアチームの結成
Brooksと共にDelta State Universityの生徒数名、及びその他少数のボランティアが郡のスタッフを援助する為、ミシシッピー州ジャックソンに所在するEmergency Operations Center (EOC)に集められました。到着するとすぐさま、Brooksは他のミシシッピー州に所在する教育機関で働く彼の同僚に援助を求めました。この呼びかけに答えた人々の中には、地図やGIS分析を提供する為に急遽、移動教室であったバスをGIS専門家集結の場として改造し援助してくれる者もありました。

ハリケーンカトリーナ上陸以前にEOCで使用されていたGISは、ArcViewで動作するFederal Emergency Management Agency (FEMA) HAZUSモデルでした。HAZUSはハリケーン進路内に予想される風力被害のモデル作成の為に使われました。BrooksはGIS利用拡大に早急に取り掛かり、ハリケーン洪水被害モデル作成の為にArcGIS 3D AnalystのArcSceneでDEM(デジタル標高モデル)を使用しました。また、街区レベルの地図作成及び、ジャックソンに集結した救援者に利用してもらうための、捜索及び救助用グリッド作成の為にもArcMapを使用しました。2005年8月27日から29日までの3日間で、3,000フィート(約914メートル)以上もの長さの地図がジャックソンEOC にて2つのプロッターから印刷されました。

ハリケーンがその地域一帯を横切る最中、救援スタッフはすでにハリケーン後を想定した処理作業に忙しく取り掛かっていました。BrooksはGISCorpsを、ボランティア追加メンバーとして選びました。GISCorpsの役員たちは、ジャックソンEOCにてボランティアとして働く人々の就労時間及び専門知識などの適正について調べました。最初に配属されたボランティアは、アーカンソー州、カリフォルニア州、コロラド州、フロリダ州、イリノイ州、ミズーリ州、ニューヨーク州、ノースカロライナ州、オハイオ州、及びテキサス州から集まり平均8年の就労経験がありました。初日だけでも、24時間体制のGISインフラが60名のボランティアと共に配属されました。それに付け加え、航空写真及びその他のデータソースが地図作成の為に集められました。

GITA取締役であるBob Samborskiはこう述べています。
「我々GITAメンバーは、前から救助活動に参加したいと思っていました。ですから援助要請が来た時、すぐさまメンバーを集める事ができました。これらのメンバーは、不屈の精神で他のリソースと共に何千にもなる地図を作成しました。このチームは又、救援活動所を定める手段として航空画像が入手可能になるにつれ、それらを処理分析しました。これらの情報は、北アメリカ各地方からどんどんやってくる多くの救援スタッフの為に使用されました。」


災害指令センター及び救急隊員使用のGISマップ
GISボランティアによって作成された地図は、だいたい2種類に分ける事ができます。一つ目の地図は「全体像」を表し、災害時の総司令官及び郡のEOCなどの機関で最終決断を下す人々、又は州知事及び米国大統領までが全体の様子を把握する為に使用します。二つ目の地図は、危険にさらされている現場で活動する救急隊及び緊急スタッフの為にカスタマイズされたものです。

災害全体像を表す地図は、電力(停電/送電)施設の配置、携帯電話の通話地域、洪水予想地域、通行可能及び通行止め地域の情報、避難所及び食料配給所を含む救援所、水及び氷配給所、自衛隊の管轄区、立ち入り禁止区域、変電所などの施設、及びFEMAが協力する医療施設などを含みます。

ArcGIS Desktopは主に地図編集及び作成に使用されました。ArcSDEはカリフォルニア州レッドランズにてサーバーとしてデータ管理及びデータベースツールとして使用され、将来的にはジャックソンにおいても使用される見通しです。ArcIMSはEOC職員内での情報公開に役立ち、そしてArcGIS 3D Analystも洪水モデル作成の為に使用されました。


GISはレスキュー、行方不明者捜索、その他の災害救助活動を支える
ハリケーンカトリーナにより廃墟となった土地で、GISはすぐさま捜索及び救助活動を含む重要な役割を果たしました。U.S. Coast Guardのヘリコプターは、洪水被害にあった家屋から人々を避難させる為に、ボランティアスタッフにより提供されたGPS機器を使用しました。道は水で覆われ、ボートやヘリコプターからでは住所を確定する事が不可能な為、避難を要望する電話から得た住所及び目印となる建築物などが避難者位置確認の為に、レスキュースタッフが使用できるよう座標に変換されました。GISボランティアは、U.S. Coast Guardヘリコプター救助活動用に何百もの住所を座標に変換しました。

Brooksはこう続けます。
「私たちは災害地で救助を必要としている避難者を、ヘリコプターによって見つける手助けをする事ができました。人々は電話で住所を知らせてきますが、道は水で覆われているのでボートやヘリコプターからでは住所で家屋を特定する事は不可能でした。ですから私たちは、GISを用いて住所を緯度経度に変換する事にしました。」

カリフォルニア大学バークレー校に所在するボランティアは、行方不明者捜索の為のウェブサイト及びデータベースと何千もの行方不明者に関する報告が閲覧できる検索システムを開発しました。このシステムは、行方不明者が最後に目撃された場所をGISのレイヤとして作成し、地図を元に捜索の助けや緊急時の対応用に使用されました。

初期の200近くに上る捜索地図が10時間以内にすべて作成され、ジャックソンにて早急にラミネート加工されました。次に、8つの郡をカバーするより詳細な捜索用地図が作成され、個々の家屋捜索用に使用されました。

要約された地図は、毎日行われている計画会議やその他コミュニケーションの手段として、電力供給停止地区、森林地帯、通行止め地域、通信ネットワーク、及び救護所などを視覚化する為にも使用されました。

その他の地図作成に関するサポートサービスは、水源、浄水場、及び洪水やその残骸によって容易には場所を確定できなくなっているその他の施設など、危機に瀕しているインフラの所在地を含みます。

Elhamiは更にこう述べています。
「ハリケーンカトリーナの救助活動において、GISを利用した地図作成者たちは様々な場面で今までと違った働きをなす事ができました。私たちは現在も引き続き、GISCorpsのボランティアとしてお手伝いをしています。今回の一件で学んだ事柄をもとに、将来起こるかもしれない災害の為にも、より良い準備をして私たちのできる限りのお手伝いをしたいと思っています。」


ハリケーンリタの災害救助活動
ハリケーンリタ上陸中、EOCは激しい洪水及び竜巻に見舞われている地域で現場担当スタッフとしての役割を果たしました。Center for Interdisciplinary Geospatial Information Technologies は、ハリケーン災害マップ作成及び竜巻発生時における避難ルート確保を支援するBolivar County Emergency Operation Center の為にArcGIS製品及び竜巻追行用気象レーダーを使用しました。GISの利用により、現場では数分しか離れていない竜巻にも襲われる事なく、救助活動に大きな貢献をしました。
ニュース原文:
ESRIジャパン ニュース ESRI ArcNews Online http://www.esri.com/news/arcnews/fall05articles/gis-volunteers.html
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