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掲載日:2006年2月6日
アメリカ赤十字社のハリケーンカトリーナ及びリタ復興におけるGISの活用
 
アメリカ赤十字社は、自然災害時の救援などの人々を助ける働きに150年近く携わっています。組織はボランティアによって運営され、米国議会の許可を受け、国際赤十字運動の原理に従い人道主義をモットーとしています。災害による犠牲者の援助活動、及び市民の防災意識を高めて緊急事態に備えさせる事が彼らの使命です。

アメリカ赤十字社は、ハリケーンカトリーナ発生時に何千ものボランティアを新たに加え、被害者に対して救援物資を運びました。全米50州から集められた1,900万食以上の暖かい食べ物と、全米25州の902箇所の避難所で確保した260万床の寝床を供給する為、177,000名以上ものボランティアが現地に配属されました。アメリカ赤十字社は、食料及び避難所の提供、経済的援助、心のケアを含む医療サービス等を含めた救援活動費用は20億ドルを超えるであろうと予測しました。

ハリケーン緊急対策の一環として、アメリカ赤十字社はハリケーンカトリーナ及びリタにおける多様な救援活動の為に、GISを利用しました。GISによる地図作成、空間分析、及びGIS Webサービスは、地域の人々や家を失った人々に、食料、衣服、避難場所、その他の必要なサービスを供給する活動を支援しました。このGISによる支援は、現地で指揮するスタッフだけでなく、赤十字社本部のあるワシントンDCで働く幹部クラスのスタッフに対しても行われました。

アメリカ赤十字社で災害評価とGISを担当しているマネージャーのGreg Tuneはこう述べています。
 「アメリカ赤十字社では、幹部の人たちが地図を使ってより良い決断を下す事ができるよう、情報提供にGISを利用します。私たちが行っている仕事は、GISがなかったら大変に手間取った事でしょう。紙地図上に手書きで情報を加えていく作業は、今では完全にGISを利用して行われており、絶えず最新情報に更新できるようになっています。恐らくここで最も重要な点は、GISによる地図作成及び分析はリクエストに応じてその都度行えるという事でしょう。私たちはGISのお陰で、よりスピーティに、そしてより効果的に仕事をする事ができるようになっています。」

アメリカ赤十字社の既存のGISシステムを早急に拡張する為に、ESRI社ワシントンDCオフィスは、スタッフを含めたリソースを提供しました。それに加え、カリフォルニア州レッドランズにあるESRI本社の専門家たちは、アメリカ赤十字社職員と協力してShelter Locator ArcWeb Services のウェブサイト(arcweb.esri.com/redcross)を開発しました。このサイトでは、赤十字社職員及び一般市民の両方に公開されている各避難所の住所、人口、定員、その他の情報を提供されています。

GISによる支援は、ハリケーン通過前から始まっています。ハリケーンカトリーナ及びリタの上陸に先立って、GISにより作成された地図をもとに、職員、装備、必需品、及びその他のリソースが戦略的に設置されました。その地図によって被災の恐れのある郡を確認し、避難所、支給所、及びその他の災害援助施設のホストとしての働きをしてくれる郡も確認する事ができました。ハリケーンが大陸上空を通過する間、各地で実際に何が起こっているかを判別する為にArcViewを使った作業が休む間もなく行われました。ハリケーン通過後、GISは被害査定に利用されました。つまり、ハリケーン風力地図作成や、身体障害者を含むハリケーン被害者数の地図、グラフ、及びレポート作成です。高度で大量の地図作成及びGIS分析が求められた結果、何千もの地図が作成され、それらの地図は赤十字社内で広く使われました。

Tuneは更にこうも述べています。
「私たちは大都市の歩道、高速道路、赤十字社支部の所在地区、及びその他の組織などを含むレイヤを使用して郡レベルから分析を始め、次第にその地図に情報を付け加えていきました。その情報には、風の影響範囲、リモートセンシング画像からデジタイジングした損害を受けたエリア、及び人口統計が含まれます。この地図のおかげで、被災者数及び被害を受けた世帯、そして避難所、食糧配給所、医療補助施設、及び赤十字社のサービス所在地がより分かり易くなりました。」

ハリケーンカトリーナ及びリタ以前から、アメリカ赤十字社ではそれまで行われてきた計画会議、そして毎年のように対応してきた何千もの救援活動を促進する為にGISが効果的に導入されていました。GISはアメリカ赤十字社の避難所候補地及び管轄区を地図にし、800以上ある支部のネットワークの中でハリケーンの被害を受けやすい郡及び災害時にホストとなる可能性のある郡を定めるのに役立ちました。一度定められると、アメリカ赤十字社は地方自治体とカトリーナの対応及び将来起こる災害の為の計画会議を行う地方緊急管理局と共により良い仕事ができるようになりました。

アメリカ赤十字社では、ArcView及び拡張機能のArcGIS Business Analyst、ArcGIS Tracking Analyst、ArcGIS Spatial Analyst、そして、ArcSDEを使用しています。

Tuneはこう続けます。
「私たちは情報提供者です。生のデータを収集し、それを人々が見て理解する事のできるデータに加工する支援をしています。災害前及び災害後の評価と対応の為に、私たちが供給するものは人口統計、グラフ、及びその他の情報が詰まった地図です。ハリケーンが大陸に上陸する際、私たちは周到に準備を行い、災害に見舞われている人々に我々の支援をいつでも届ける事ができるようにしています。」

それに加え、地図上で全てのタイプの情報を赤十字社支部及び現場にいるスタッフが見られるよう、ハリケーンカトリーナとリタ個々にArcIMSを利用したWebGISアプリケーションが導入されました。利用者はそのサイトにログオンし、避難所、食糧配給所、災害及び洪水地域、被害地域の郵便番号、そして避難者のいるホテルなどのレイヤを選択することができます。何日にも渡るデータが蓄積されている為、利用者は特定の日時の情報にアクセスしたり、ある期間のハリケーン被害も見る事ができました。利用者は地図で更に見たい箇所に画面をパンしたり、ズームしたり、属性情報を表示したり、指定した情報を選択したりする事ができます。

Tuneは又こうも述べています。
「緊急時の対応は、様々なデータを統合し役立つ情報へ加工する事ができる正確なデータに頼っています。それがGISのパワーです。GISは計画、準備、対応、及び復旧を含む全ての緊急時において役に立ちます。そして私たちのハリケーンに対する対応にも不可欠な役割を果たしてくれました。GISはこれからの未来に無くてはならないものとなる事でしょう。」

ESRI社コマーシャルアカウント部長であるEric Maierはこう述べています。
「GISの利用によりアメリカ赤十字社は、ハリケーンカトリーナ及びリタに備えてより良い準備をする事ができただけでなく、災害復旧時にもより柔軟に、より正確に対応する事ができました。」

ニュース原文:
ESRIジャパン ニュース ESRI ArNews Online http://www.esri.com/news/arcnews/fall05articles/american-red-cross.html
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